【自民落選運動】2026年から始まる独身税の闇

政治

自民党は2026年から「子ども・子育て支援金」を徴収することを決定。これは少子化対策の加速化プランを進めるにあたり、必要な財源を確保するための手段の一つとされています。

巷では「独身税」と呼ばれることもありますが、内容を考えると「子なし税」と呼ぶほうが適切でしょう。

どちらにせよ、この制度で少子化の根本的な対策になるわけではなく、さらにはその徴収方法の理屈がまるで詐欺のようなやり方なので、ここで紹介したいと思います。

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子ども・子育て支援金(独身税)の使い道

子ども・子育て支援金の使い道としては、以下のことが挙げられています。

  • 児童手当の拡充
  • 主産育児一時金の引き上げ
  • 出産・子育て応援交付金
  • 出産費用の保険適用
  • フラット35の金利引き下げ
  • 収支段階の授業料後払い制度の導入
  • こども誰でも通園制度の創設
  • 育児休業給付金の給付率を手取り10割相当に

内容までは細かく見ませんが、ほとんどは少子化対策というより(名称通りに)子育て支援ですね。

もちろんやらないよりはやったほうが良いものばかりですので、これらの政策自体に問題があるとは言いません(少子化対策としては問題がありそうですが)。

問題なのは、この費用を賄うために新たな負担を国民に強いること、そしてその決め方です。

子ども・子育て支援金の徴収方法と負担額は?

子ども・子育て支援金は、それぞれが加入する(国民)健康保険の「保険料」に上乗せされて徴収されます。

「独身税」と呼ぶと独身の人が対象と勘違いされそうですが、実際には(国民)健康保険の加入者が対象となるので、ほぼ全員が対象となりますね。要は取れるところから確実に取ると。

支援金の使い道がほぼ子どものいる家庭しか恩恵がないため、独身税というよりは「子なし税」です。

ただ、税金ではなく保険料に上乗せして徴収するため、「増税」ではないというのが政府の主張ですが、ただの言葉遊びですね。これを真面目に言い張るのだから、本当にバカとしか言いようがない。

気になる負担額ですが、属性が会社員・公務員・個人事業主等によって若干違います。

それらの平均として、2026年度は加入者一人あたり「(月額)250円」、2027年度は「350円」、2028年度は「450円」となっています。

また、子どもなど扶養家族がいる場合、支払うのは被保険者のみですが、2026年度は一人あたり「400円」2027年度は「550円」2028年度は「700円」ほどとされています。

細かく見れば自営・中小企業・大企業・公務員でも負担額は違う(自営 < 中小 < 大企業 < 公務員)し、年収が高いほど負担額も多くなります。

※上記はあくまでも平均、かつ2021年度の報酬から機械的に試算したもの

前回、103万円の壁が123万円になると手取りはどれだけ増えるのかという記事を上げましたが、年収300万円だと5,000円ほどしか手取りは増えませんでした。

ところが、その増えた分はすべて子ども・子育て支援金としてきっちり徴収されることになりそうです。むしろ、2027年以降はそれ以上に徴収される気がする…

徴収の理屈が意味不明

子ども・子育て支援金は、我々の(国民)健康保険料に上乗せされるため、何をどう考えても「負担は増える」と言えます。

実質増税ですが、自民党は税金ではないので増税とは言わないし、国会で国民の負担が増えると追及されても意味不明な答弁でごまかすばかり。

負担は増えますよねという指摘に対して、(前総理の)岸田さんは以下のように答弁しています。

「新たな政策を掲げ、そのために歳出を増やすには増税か国債発行ではなく、既存の歳出の改革が重要であると考えています。既存の歳出を削る一方で、その削減した歳出の範囲内で新たな政策の支出に回す。こうしたことを行えば、国民に新たな負担を求めないということになります。ただこれは抽象論で頑張りますというだけでは説得力がないわけであります。具体的なメルクマール(指標)を設けなければならない。そういうことで支援金の導入に社会保障負担率は上がらない、こういったことを示し、国民に新たな負担を求めないことの証としてお約束する。こういった制度を考えた次第であります。こうした支援金の仕組みについて国民の皆様にご理解いただけるよう引き続き説明を尽くしてまいりたいと考えております」

ちょっと何言ってるかわか…

噛み砕くと一方の支出を削って一方の支出に回せば、国民に新たな負担は求めなくて済むと言っているわけですが、じゃあなぜ支援金を導入するのでしょうか。

支援金の徴収=負担増と誰もが感じると思いますが、政府の言い分は医療費等の社会保障改革や賃上げによって「負担率」は変わりませんというもの。

月500円の負担が増えても、社会保障の改革と賃上げで手取りが500円増えるので「実質的な負担はありませんよ」ということでしょう。

なるほど、そうなれば確かに実質的な負担率は変わらないでしょう。ただ、負担率が変わらないということは「豊かにもなれない」ということでは?

せっかく手取りが500円増えたのに、結局その分は徴収されるんやったら今までと生活は変わりませんからね。なんか意味あんのこれ?

わざわざ国民から徴収しなくても、こども家庭庁という存在意義のない組織を解体するだけで十分対策ができるのにね。

というより、なぜ賃上げが行われるという前提の話なのか?

じゃあ賃上げができなかったらどうするんですかって話ですし、実際に会社員の支援金は社会保険同様、会社と折半なので会社側の負担も増えることになります。

となれば、賃上げしようにもできない企業も間違いなく出てきますよね。もちろん国会でこういった指摘もされるわけですが、それに対して岸田さんは、税制などのあらゆる政策を動員しているとしたうえで、「制度が賃上げを阻害することにはならない(根拠はない!)」と主張していました。

ご都合主義ここに極まれり!ですね。

結論(支援金導入)ありきで話を進めるから、それに対する現実的な問題について何も論理的な説明ができない。

新たな負担を求めないとお約束すると言いながら、賃上げできなかったケースは想定せず「賃上げされます!(根拠はない!)」とか、誰が納得するねん。

おそらく、岸田さんも当時の子ども政策等担当大臣の加藤さんも、内容をほとんど理解していなかったと思います。

なぜなら、二人とも答弁する際の目線は常に手元にあり、用意された答弁書をただ読むだけだったから。

追及する議員がその答弁に納得がいかず、何度も違う角度から答弁を求めても回答は同じ。ただ手元にあるものを読み上げるだけ。

これで一般市民では到底得ることのできない報酬が得られるんですから、政治家をやめられないのも無理はないですね。

とはいえ、このような人物を政治家にしているのも我々国民です。

そろそろ(自民党に限らず)腐った性根の政治家を引きずり下ろすため、しっかりと選挙で一票と投じることが必要ではないでしょうか。

昔のように情報がない時代では仕方なかったと思いますが、今は調べれば大抵のことはわかる時代。もはや「よくわからないから」は通用しませんよ。

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