サンデーサイレンス系の特徴

サンデーサイレンス系の血を引く競走馬たちの激しいゴール争い 競馬の読みもの

今回は日本競馬を支配する最大勢力「サンデーサイレンス系」と、その下位にあたる小系統について、現代の競馬事情を反映して詳しく解説します。


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サンデーサイレンス系(大系統)

サンデーサイレンスは1988年にアメリカでデビューし、ケンタッキーダービーとプリークネスステークスを制した名馬。

その後、日本の社台グループが種牡馬として導入し、日本競馬の血統構造を一変させました。

サンデー産駒の多くが種牡馬となり、彼らの特徴に応じて5つの小系統に分類されています。


小系統一覧

小系統特徴
ディープ系瞬発力と中距離適性に優れた主流系統
Tサンデー系スタミナ型。中長距離・ダートにも対応
Pサンデー系スピード型。短距離向きで万能性あり
Dサンデー系ダート適性が高く、パワー型が多い
Lサンデー系上記に該当しない地味系統。非根幹距離向き

ディープ系

ディープインパクトはサンデー系最大の後継種牡馬。
瞬発力に優れ、1600m〜2400mの芝中距離に強いですが、2019年に逝去したため現役の産駒はわずか。

現在はディープの仔が種牡馬となり活躍中で、今後はその種牡馬の特徴を抑えることが重要です。

特徴

  • 条件戦では人気先行で回収率が低め
  • 大舞台で輝く”A級ディープ”と、条件付きで狙える”B級ディープ”
  • 若駒や休養明けで高パフォーマンスを発揮
  • 現在は直仔よりも後継種牡馬の特徴を捉えたい

主な後継種牡馬(2020年代以降)

  • キズナ
  • コントレイル
  • サトノダイヤモンド
  • シルバーステート
  • リアルスティール
  • サトノアラジン
  • ミッキーアイル
  • リアルインパクト
  • ダノンバラード

キズナ産駒は重賞級の馬が増加し、今後も要注目ですね。
また、父と同じ無敗の三冠馬コントレイルの産駒もデビューします。

後継種牡馬の産駒の特徴は、基本的には父の現役時代を参考にするのがいいでしょう。
母父を見ると、イメージも掴みやすいかもしれません。

例えば、リアルスティールとサトノアラジンはともに母父が米国の名血 Storm Cat
スタミナよりもスピードと馬力に優れ、長距離よりは短~中距離が得意になりやすく、ダートでの活躍にも期待できます。

地味なディープ系(ダノンバラードなど)を覚えておくと、馬券的に美味しい場面が増えるかも。


Tサンデー系(スタミナ型)

Tサンデー系は現役時代に中長距離G1を勝った一流馬たちで、スタミナに優れています。
ディープ系よりスタミナ・パワーは豊富で、スピード・瞬発力は劣るイメージ。

母系によってはダートで活躍する馬も多いのが特徴的です。

Tサンデー系でも短距離を走ることがありますが、本質的にはスプリンターではありません。
そのため、G1レベルになるとスペシャリストには敵わないことが多いですね。

短距離を走るのはやはり母系がスピードタイプであることが多いので、母父・母母父も参考になります。

キタサンブラックは種牡馬としての活躍には期待できないと予想していましたが、ふたを開けてみればイクイノックスやクロワデュノールといった大物を輩出。

ただし、これは例外と考えたほうがよく、馬券的にはスピード・瞬発力を活かす場面よりも、スタミナ・馬力を問われる場面で狙いたいところです。

主な種牡馬

  • キタサンブラック
  • オルフェーヴル
  • ゴールドシップ
  • ハーツクライ
  • スワーヴリチャード
  • ヴィクトワールピサ

Pサンデー系(スピード型)

Pサンデー系は現役時代に短距離で活躍したタイプ。
スピードを武器に、産駒も短距離で活躍することが多いです。
母系に米国のダート血統が入れば、ダートでも走る産駒がいますね。

フジキセキの後継種牡馬イスラボニータは、まさにフジキセキの特徴がよく出ています。
器用な馬が多いので、内枠でロスなく立ち回れる状況が狙い目。

ジャスタウェイも内枠が得意で、距離短縮相手強化で激走する場面が目立ちます。

主な種牡馬

  • ダイワメジャー
  • イスラボニータ
  • ジャスタウェイ
  • キンシャサノキセキ
  • リアルインパクト
  • アドマイヤマーズ
  • インディチャンプ

Dサンデー系(ダート型)

Dサンデー系は自身が現役時代にダートで活躍、もしくは現役時代は芝で活躍するも、産駒はダートに向いているタイプが該当します。

二冠馬ネオユニヴァース、ダービー馬ディープスカイもDサンデー系になるのが面白いですね。

ネオユニヴァースやゴールドアリュールは、芝でも力の要る馬場になってダートのようなパワーが求められる馬場状態なら要注意。

エスポワールシチーやカネヒキリ、スマートファルコンあたりは、専らダートで走ります。
とくに距離短縮ローテではチェックしておきましょう。

他のダート血統よりも中距離向きが多く、日本のダートG1ではDサンデー系(とくにゴールドアリュールの血を持つ馬)が強いです。

ただし、今後はディープの孫にもダートで活躍する馬が増えてくると思われるので、苦戦するかもしれませんね。

芝からダート替わりは狙い目ですが、適性があるかは走ってみなければわかりません。
そのため、ダート替わりは人気馬なら疑い、人気薄を狙うのが定石です。

主な種牡馬

  • ゴールドアリュール
  • スマートファルコン
  • コパノリッキー
  • カネヒキリ
  • ネオユニヴァース
  • ゴールドドリーム
  • エスポワールシチー

Lサンデー系(その他)

サンデーサイレンスの血を持つ馬で、ここまでの系統に該当しないすべての馬をLサンデー系としてまとめています。

Lとはローカルのことを指し、ローカル競馬場の小回り持続力勝負に向いている馬が多いです。
稀にキタサンブラックのような大物が出ますが、あの馬は例外ですね。

サンデー系のなかでも地味なタイプが多く、好走しても人気にもなりにくいです。

馬券的に狙えるのはブラックタイド産駒。
短縮が得意非根幹距離に強く、ダートも走れる万能型です。
さすがディープの全兄弟ですが、当たりはずれの差も大きいので注意してください。


まとめ

サンデーサイレンス系は現代競馬の中心にありながら、細分化が進んでいます。

  • ディープ系:瞬発力と中距離
  • Tサンデー系:スタミナと大舞台
  • Pサンデー系:スピードと短距離
  • Dサンデー系:ダートでの適性
  • Lサンデー系:非主流だが馬券的妙味あり

今後はディープ系の中でも細分化していくと、より馬券の狙いどころが作れるでしょう。
とはいえ、飽和した血統はいずれ淘汰されていくのが宿命。

僕が生きている間、サンデー系は主役で居続けるのか、それとも…

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