ミスプロ系の特徴

競馬

血統を系統別に紹介するコーナー。

今回は、大系統ミスプロ系と、そこから派生する小系統について紹介します。

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大系統ミスプロ系

ミスタープロスペクターは、1970年代にアメリカで生まれ、競走成績はパッとしませんでしたが種牡馬として大成功。今なお、アメリカでは日本のサンデーサイレンス系クラスの支配力があります。

基本的にはダートの短距離が主戦場ですが、欧州の芝でも活躍する馬もおり、その血を持つ馬は日本の芝でも活躍しています。

ミスプロ系は3つの小系統に分類し、日本の芝でも活躍するキングマンボ系・ダート向きが多いフォーティナイナー系・それ以外をミスプロ系とまとめています。

キングマンボ系

ミスタープロスペクターと欧州の一流牝馬ミエスクの間に産まれたキングマンボは、持続力とパワーに優れた産駒を多く輩出します。

現在の日本競馬でサンデー系と双璧を成す系統ですが、芝の大舞台で活躍するのは一部に限られ、それ以外はスピード不足になりがちでダート向きも多いです。

キングマンボ系の代表種牡馬はキングカメハメハ。
芝・ダートともにG1馬を輩出したスーパー種牡馬ですが、残念ながら2019年に逝去。

しかし、後継種牡馬はサンデー系に負けず劣らずの大活躍をみせています。


ディープインパクトよりダート適性が高く、サンデーサイレンスが持つ1日最多勝記録を更新する快挙も達成。

母系を引き出しやすく、母系が芝血統なら芝向き、ダート血統ならダート向きになりやすいです。弱点はスタミナ面で、3000mを超えるレースでは成績が急降下しています。


しかし、後継種牡馬のルーラーシップは、母系のトニービンの影響でスタミナ豊富な産駒が出やすく、逆にスピードが足りないことが多くなります。

後継種牡馬のロードカナロアは初年度から牝馬三冠馬のアーモンドアイ、翌年には皐月賞馬サートゥルナーリアを輩出し、今後リーディングサイアー争いの常連になることは間違いなさそうですね。

わずか数世代を残してこの世を去ったドゥラメンテも、産駒が凄まじい活躍をしています。数世代の中からドゥラメンテの血を残せる馬が出てほしいところです。

それ以外の種牡馬だとスピード不足なので、芝の重賞で活躍する機会は少なめ。

アルカセット・エイシンフラッシュ・キングズベスト・ワークフォースは根本的に芝向きなので、ダートの内枠なら人気でも凡走する確率が高くなります。

キングマンボ系の種牡馬

  • アポロキングダム
  • アルカセット
  • ヴァーミリアン
  • エイシンフラッシュ
  • エルコンドルパサー
  • キングカメハメハ
  • キングズベスト
  • ソングオブウインド
  • ドゥラメンテ
  • ルーラーシップ
  • ロードカナロア
  • ワークフォース
  • Dubai Destination

フォーティナイナー系

フォーティナイナー系は主にダートの短距離向きですが、芝の短距離~中距離をこなすタイプの馬もいます。基本的に仕上がりが早く、2歳戦から活躍。

気分屋なところがあり、原因不明の惨敗をしたり、前走惨敗からいきなり巻き返したりするので、必然的に穴馬券が多くなります。

代表種牡馬はサウスヴィグラス。

とにかくダートの1400m以下では走ります。ダートの1400m以下で先行できそうな馬を狙い続ければ、それだけで穴馬券を取れる可能性があるくらい適性が高いですね。

内枠で揉まれて凡走した後、外枠で先行できそうなら人気がなくても買っておくべき種牡馬です。


フォーティナイナー系のなかでも、アドマイヤムーンは完全な芝向きの異端児です。

アドマイヤムーン自身は中距離でも活躍しましたが、産駒は1400m以下のほうが走ります。前走から距離が短くなる短縮ローテが得意で、延長ローテが苦手です。

アイルハヴアナザーはフォーティナイナー系の中では珍しく、中距離もこなして延長ローテが得意。ローカルの芝で穴をあけることもあり、覚えておきたい種牡馬です。

フォーティナイナー系の種牡馬

  • アイルハヴアナザー
  • アドマイヤムーン
  • エンドスウィープ
  • クリストワイニング
  • コロナズドクエスト
  • サウスヴィグラス
  • スウェプトオーヴァーボード
  • トワイニング
  • プリサイスエンド
  • マイネルセレクト
  • Any Given Saturday
  • Distorted Humor

ミスプロ系

フォーティナイナーとキングマンボの血を持たない全てのミスプロ系をまとめています。基本的にはダートの短距離向きで、2歳戦なら芝でも通用します。

小系統ミスプロ系でもっとも芝の勝ち星が多いのはエンパイアメーカーですが、本質はダート種牡馬。出走数が多いために勝ち星も多いだけで、芝の回収率は悪いです。

ただし、ダートでは雨が降って湿った馬場が得意。バンバン穴をあける妙味ある種牡馬でしたが、米国に買い戻されたので産駒数は減っていくのが残念ですね。

ダートも芝もこなすのはマイネルラヴ・モンテロッソで、アグネスデジタル・Smartstrike・Speightstownも悪くありません。

注目種牡馬

モンテロッソは現役時代に欧州の芝を中心に走り、オールウェザーで行われたドバイワールドカップを制した名馬。

モンテロッソの活躍が期待されるのは、この馬の血統背景にあります。

父の父ドバイミレニアムは、距離の長かった英国ダービーを除く9戦全てを圧勝し、そのなかには世界の強豪が集う大レースも数多く含みます。

種牡馬としても期待されましたが、わずか1世代の産駒を残した後に奇病によって急死。

しかし、残された1世代56頭の中からDubawiというG1馬を輩出し、Dubawiが種牡馬として大活躍してその血脈を繋いでいます。

Dubawi産駒であるモンテロッソは、貴重なドバイミレニアムの血を引く種牡馬として注目されているのです。


日本では2017年に産駒がデビュー。

2018年3月時点で能力の足りないと思われる単勝100倍以上の馬を除くと、単複回収率が芝ダートともに100%を大きく上回ります。

これまで9勝を挙げていますが、そのうち7勝を直線に坂のあるコースで挙げています。平坦コースでも複勝回収率は高いですが、本質は坂を得意とする馬力型でしょう。

距離は今のところ短距離から中距離まで幅広くこなし、芝では内枠の成績がとくに優秀。短縮ローテは間違いなく得意になりそうで、延長は得意ではなさそう。

力を出せず敗戦からの巻き返し能力も高そうで、芝からダート替わりも狙い目です。

  • 坂のあるコース
  • 距離不問(長距離は?)
  • 芝では内枠
  • 短縮馬
  • 前走人気より凡走
  • 芝からダート替わり

このあたりを狙ってみると、面白いのではないでしょうか。


余談ですが、ミスタープロスペクター(探鉱者)は、母ゴールドディガー(金鉱採掘者)にちなんで名付けられたそうです。

そして、ミスプロ産駒にもゴーンウエスト(金の採掘地である西へ)や、フォーティナイナー(1849年のゴールドラッシュで大儲けした人々)、シーキングザゴールド(金を探している)など、金にちなんだ名前が多く付けられています。

まさに金の成るミスプロ系軍団ですね。

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