競馬は資金力のある者が圧倒的に有利──そんな現実を、まずは受け入れなければなりません。
とはいえ、僕を含め、多くの競馬ファンは一度に使えるお金に限りがあります。
それでも「少ない軍資金」で競馬を楽しみたい!そんなとき、最適な馬券術は何か?
結論から言うと、馬連かワイドの購入が最も現実的でおすすめです。
その理由を、単複や三連系の馬券と比較しながら考察していきましょう。
軍資金が少ないと不利になる理由
少ない資金では、予想を反映した細やかな資金配分ができません。
たとえば、1レースに2,000円を使うケースを考えてみましょう。
僕は本命馬(◎)を中心に、相手へ流す馬券をよく買いますが、オッズが以下のような場合。
買い目 | 馬連オッズ | ワイドオッズ |
---|---|---|
◎-○ | 80倍 | 20倍 |
◎-▲ | 30倍 | 8倍 |
◎-△ | 50倍 | 15倍 |
◎-☆ | 200倍 | 60倍 |
◎-★ | 160倍 | 40倍 |
これに対し、予想に応じて資金を配分して馬券を買ったときのイメージがこちらです。
(※カッコ内は想定払戻金)
買い目 | 馬連 | ワイド(賭け金) |
---|---|---|
◎-○ | 200円(16,000円) | 500円(10,000円) |
◎-▲ | 200円(6,000円) | 500円(4,000円) |
◎-△ | 100円(5,000円) | 200円(3,000円) |
◎-☆ | 100円(20,000円) | 100円(6,000円) |
◎-★ | 100円(16,000円) | 100円(4,000円) |
このように軍資金が少ないと、印上位の馬が来るよりも、抑えとして買っておきたい馬のほうが払出が多くなるケースも。
本線よりも抑えの馬が来てくれ!なんて思いながらレースを見るのも、なんか違いますよね。
本線に絞るべきでは?とも考えられますが、抑え評価の馬も「もしかしたら来るかも」と感じさせる存在で、配当が大きいために抑えておかないと後悔することも。
競馬では1回の高配当的中が収支を左右することも多く、軍資金が少ない中で常に悩むのがこの資金配分問題なんです。
逆に、軍資金があれば以下のような配分が可能に。
買い目 | 馬連 | ワイド |
---|---|---|
◎-○ | 1,000円(80,000円) | 1,200円(24,000円) |
◎-▲ | 1,000円(30,000円) | 1,200円(9,600円) |
◎-△ | 500円(25,000円) | 600円(8,000円) |
◎-☆ | 100円(20,000円) | 100円(6,000円) |
◎-★ | 100円(16,000円) | 200円(7,000円) |
このように、本線に多くの資金を配分しつつ、抑えはあくまでも少額での抑えという役割に。
- 的中すれば、どの買い目でも軍資金の回収は可能
- 本線的中なら、大きなリターン
- 抑えはあくまで“保険”として機能
軍資金が豊富であれば、このような戦略的な資金配分が可能になり、精神的な余裕も持てるわけですね。しかし現実は限られた資金での勝負。少ない軍資金でも戦える馬券戦術を考えていきましょう。
少額予算の馬券戦術比較
単複:ローリスク・ローリターンの王道
軍資金が少ないとき、多点買いは難しいため、まず候補に上がるのが「単勝」や「複勝」といったシンプルな馬券。
単複は他の馬券に比べて的中率が高めというメリットがありますが、その反面、回収率を高く維持するのが難しいというデメリットも。
たとえば、同じ回収率でも――
- 単勝1万円で的中すれば10,000円の利益
- 単勝1,000円ならその10分の1、1,000円の利益
となります。もちろん、逆に負けるときも損失額は10倍違ってきます。
回収率120%でも儲けはわずか?
仮に、1日3レース、1年間ずっと単勝1,000円で購入して、**年間回収率が120%**だったとしましょう。
この場合、年間の利益は約57,000となり、月平均にすると約4,800円。
回収率120%は素晴らしい成績ですが、”利益”に注目した場合、軍資金が少ないと儲かったと感じられるほどにはなりません。
そもそも単複は控除率が約20%なので、安定して回収率120%を維持するのは相当ハードルが高い。
現実的には、単勝で110%・複勝で105%の回収率でも十分「優秀」といえるレベルです。
単複は「堅実派」におすすめ
裏を返せば、大きく負けにくいのも単複の魅力です。
たとえば、同じ条件で平均的な回収率(約80%)を維持できれば、月間の負けも5,000円以内に収まるということ。
「少額で当たりやすく、ちょっとの損失なら許容できる」
「派手に勝たなくていいから、競馬を長く楽しみたい」
そんな方には、単複は最もバランスが取れた買い方と言えるでしょう。
馬連:良くも悪くもブレるが、一撃の魅力も
「せっかく競馬をするなら、もう少し高いリターンを狙いたい」
そんな人にとって、馬連は検討する価値がある馬券です。
馬連は的中率こそ単複より低いものの、高回収率を狙いやすいという強みがあります。
限られた資金でプラスを出すには、ある程度の爆発力がある馬券を買うのは効果的。
とはいえ、当然ながら予想精度がないと大きく負けるリスクも高くなります。
とくに馬連は「軸+相手」という構造上、的中までに時間がかかる可能性がある点に注意が必要です。
単複と馬連の違い
- 単複:本命馬の回収率が100%を超えなければ勝てない
- 馬連:相手次第でプラスに持っていける
この違いが大きく、少ない資金でも「勝てるチャンスがある」のが馬連の魅力。
だからこそ、軍資金が少ない人ほど、馬連を使って一撃で流れを変える戦術もアリなのです。
馬連の狙い方(予算1,000円編)
少額で馬連を買う場合、最も大事なのは「レース選び」です。
- 上位人気のうち1頭以上が怪しいと思える
- 3番人気以内のうち2頭以上を疑えると理想
- 人気馬が強いと感じるレースはスルー
このような条件が揃ったレースを選びましょう。
そして「ボックスではなく、軸を決めて流す」のが鉄則です。
【例:軸が中穴の場合】
- 相手は4〜5頭に流す
- 人気馬はオッズによっては外す
- 高配当狙いで買い目にメリハリをつける
【例:軸が大穴の場合】
- 絞らず10頭くらいに広く流す
- 万が一の一撃を逃さないように
また、「オッズに応じて買い目を調整するアドリブ力」も重要です。
オッズ次第では、あえて怪しい人気馬も買い目に含めることも必要になります。
「狙いすぎ」は非効率?
300倍以上の馬連配当は、年に数回あるかどうかのレベル。
確率が極端に低い買い目に多くの資金を投じるのは、期待値が低く効率が悪いです。
とはいえ、夢を見るために100円だけ抑えるなどの買い方は、楽しみとしてアリですね。
馬券が50円から買えれば、軍資金が少ない人の楽しみ方も増えるのになぁといつも思います。
オッズだけを見て買う方法もアリ
相手選びが面倒な場合は、オッズ帯だけで決める方法もあります。
例:
- 軸馬を決めて、30倍〜100倍の馬連になるような組み合わせに流す
- 相手は実力よりもオッズの妙味重視
競馬は、実力伯仲のレースであれば着順の差は紙一重。
予想に自信がないなら、相手探しの時間をオッズ分析に回すのも効率的です。
安すぎるオッズは買わない勇気を
馬連で期待値が高いのは、人気馬×穴馬の組み合わせ。
人気馬×人気馬、穴馬×穴馬の組み合わせは、好走率とオッズのバランスが悪くなります。
そのため、資金が少ない場合は10倍前後の馬連は買わないことも選択肢のひとつ。
20倍ほどつく場合は、資金を回転させる意味合いでも買う価値はあるかなと思いますね。
“当てたい”のか、“勝ちたい”のか――そのバランス感覚が鍵になります。
ワイド:的中しやすさと回収のバランスが魅力
「当てやすさと儲けやすさ、その中間が欲しい」
そんな人におすすめなのが ワイド です。
的中率は単複に次いで高く、それでいて馬連よりローリスク。
しかも回収率は単複以上を目指しやすいため、バランス型の戦略に向いています。
ワイドの特徴と注意点
ただし、ワイドには以下の特性があるため、戦い方には工夫が必要です。
- ワイドは穴馬券には不向き
→ 的中は3通り(馬連の3倍)ありますが、配当は馬連の1/4〜1/5になるケースも多いです。 - 人気薄は3着止まりを見越して買われやすい
→ 配当が下がりやすく、期待ほど儲からない場合も。 - 逆に人気馬同士のワイドは意外と妙味あり
→ 馬連より効率が良くなることもある(馬連の1/2程度の配当も)。 - 人気薄でも2着以内に来ることはある
→ 超大穴でなければ、馬連との併用も選択肢。
つまり、「人気馬同士のワイド」「売れすぎていない組み合わせ」が狙い目です。
ワイド購入例:予算1,000円での買い方
【戦術①】均等払戻配分で安定重視
配当の高低にかかわらず、的中したときに一定の払戻になるよう調整する方法。
例)
- 8倍 → 500円
- 12倍 → 300円
- 16倍 → 200円
⇒ どれが当たっても 約3,500円の払戻 になります。
人気馬がきても穴馬がきても、一定の払戻になるため、的中率さえ維持すれば資金が安定します。
ただ、絞って選んだ穴馬が来たのに払戻は多くならないので、喜びは半減するかも…
注意点としては、購入時と確定オッズは異なることが多いため、オッズ変動の多い平場ではなるべく締め切り前に購入することですね。
良くも悪くも安定感があったほうがいいという方は、均等払い戻し戦略についての記事も参考に。
【戦術②】信頼の人気馬と心中型
人気馬を信じきれるなら、その馬と心中する形で「ワイド厚張り」もアリ。
例)
- 人気馬とのワイド
- 8倍:800円
- 15倍:100円
- 20倍:100円
⇒ 本線が的中すれば大きな利益、抑えが来てもプラス域に。
W的中の可能性もあるため、ハマれば強い戦術です。
ただし、人気馬の選定がしっかりしていないと、的中率は高いのに思ったほど利益が出ていない…というパターンも考えられるので注意が必要です。
【戦術③】人気薄から上位人気に流す逆張り型
3番人気以内の馬が馬券になる確率はおよそ90%(毎年ほぼこうなります)。
この事実を利用し、「人気薄から上位人気へ」ワイドを流すやり方もアリ。
- 人気薄の本命が来れば自動的にほぼ的中
- W的中も約50%で現実的
予想をする楽しさはあっても、相手選びまで考えると思いのほか時間がかかります。
でも複勝より高い回収率を求めるなら、相手を自動で選べるこの方法は悪くないですね。
三連複・三連単は夢馬券
三連系は少額資金ではおすすめしづらい券種です。
- 的中率が非常に低い
- 少額では買い目を絞らざるを得ず、当たりにくい
- 高配当の魅力はあるが、資金が続かないリスク
“1年間当たらなくてもいい”くらいの割り切りがないと続けるのは厳しいでしょう。
結論:馬連・ワイドで戦え!
少ない軍資金での競馬は「大勝ち」より「継続的な楽しみ」を重視すべきです。
その点で、馬連やワイドは的中率・回収率のバランスが優秀。
- 高回収率を目指すなら馬連
- 安定感と連続的中を目指すならワイド
もちろん馬券の買い方に絶対の正解はありません。
本記事はあくまで一つの考え方ですが、参考にしていただければ幸いです。
競馬にスランプは付きものですが、その対策は原因を知ることが重要になります。

血統を予想に活かすのも面白いですよ。

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