【オフショア投資は危険?!】資産形成には向かない真のデメリットとは?

ゼロから始める資産形成術

ここ数年、高い利回りと非課税で運用できるメリットを謳い文句に、「オフショア投資」を始める人が増えているそうです。

オフショア金融センターと呼ばれる地域への投資を指します。

オフショアとは厳密な定義はありませんが、金融等における税率が著しく低い地域のことを指します。タックスヘイブン(租税回避地)と同様の意味で使われる場合もあります。

マネーナビ

僕はこれまでオフショア投資については知識がありませんでしたが、先日知り合った人が偶然にもオフショア投資の契約をしてきたばかりということで、少し話を聞かせてもらいました。

ただ、その人もそこまで詳細を理解しているわけでもなかったようで…
正直、その時点でちょっと危ない気がして、帰ってから自分で調べて分かったことをまとめます。

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オフショア投資のメリット

オフショア投資のメリットは、高い利回りが得られる可能性があることや、非課税なので複利効果によって資産が大きく増えるということが挙げられます。

また、基本的には自分で運用を行うわけではないので、初心者でも安心して投資を行えるとか…
さらに、ボーナス制度というものがあり、積立額と契約年数に応じて積立初月にボーナスが加算されることも。

現在の日本では金利が低すぎるため、お金を預けても増えません。
預貯金なら減ることもないですが、それは額面上だけであって物価上昇により現金の価値は減っていきます

こういった話を聞いて、資産運用を始めてみようと考えている人にはとても魅力的な投資だと感じられるようですね。ところがどっこい!

オフショア投資のデメリット

リターンがあるものには、必ずリスクも存在します。

ネットで調べたなかで挙げられているデメリットには、途中解約は損をする可能性がある為替リスク言語情報量が少ないなどがありました。

それでも先に挙げたメリットと比べると、メリットの方が大きく感じるかもしれませんね。
しかし、僕が調べた限りでは、そもそもメリット面に問題があるように思えたのです。

オフショア投資・真のデメリット

日本でオフショア投資をする場合、基本的に(法律上の問題で)現地へ行って契約しなければならないようです。そのため、日本では香港で契約をするケースが多いようですね。

非課税は事実…だがしかし!

まず、非課税についてですが、香港だと「運用益は非課税」というのは間違いないです。
非課税なら複利効果も高くなり、効率的な運用ができるのも事実。

ただし、運用で増えたお金を日本で使おうとした場合、きっちりと日本の税率が適用されて税金を支払う必要があります
運用中は非課税なので、税金の支払いを先送りにできるという点では有利なことには違いありません。

iDeCoも運用中は非課税、引き出し時に課税されるという点では同じようなものです。
iDeCoは引き出し時に控除が適用される点が大きく違いますけどね。

運用中は複利効果が活きて資産を増やしやすくなるので、この点はそこまで問題ないと考えます。
問題は、契約者がそこまで理解しているか?ですね。

理解していれば問題ないですけど、投資初心者がそこまで理解しているとは到底思えないのは僕だけでしょうか?

高利回りは本当か?

知人の話では年率平均10%ほどで運用できていると説明されたようです。
10%で運用できているとなれば、それはもう素晴らしいですね。

ただ、リーマンショック以降の運用成績なら、それくらいの実績があるのは当然と言えます。

米国のS&P500指数はリーマンショック後の10年間で、年率約12%のリターンが出ています。
つまり、ここ10年では米国のインデックスファンドで運用していれば、誰でも年率10%くらいは実現できたということです。

ところが、投資初心者はそんなこと知るわけないですから、年率10%の利回りと聞いて「すげー!」と目を輝かせるでしょう。


香港で契約する商品は、おそらくアクティブファンドでしょう(説明は省きます)。
そして、アクティブファンドの大多数はインデックスファンドに成績で勝てないというのは、少し投資の知識がある人なら常識になりつつあります。

2016年のデータですが、過去5年・10年・15年でS&P500指数(≒インデックスファンドの利回り)よりもリターンが低かったアクティブファンドの割合は、約88%・86%・92%でした。

過去の実績は今後のリターンとは関係ないので、短期的にはインデックスファンドを上回る時期があっても、それが続く保証はありません。

オフショア投資は長期投資を前提とした契約になりますが、むしろ長期であるほどインデックスファンドを上回る成績を上げることは難しくなるはず。

誰でも高利回りを実現できるような相場を、あたかも素晴らしい商品であるかのように説明しているのはフェアじゃないですよね。

ボーナス期間と言える相場が終わったとき、どのような利回りを実現できるのか?となると、かなり怪しさを感じます。

とても初心者向きとは思えない

オフショア投資では、運用は自分でする必要はなく、プロが運用してくれるので初心者でも安心ですと説明されるそうです。

ところが、これは香港に限ったことではなく、投資信託・ETFとはそもそもそういう性質の商品です。
そのため、運用には手数料(信託報酬など)が発生するのが普通です。

利回りにはそれなりに期待できる可能性はありますが、オフショア投資の問題点はこの手数料にあると言ってもいいかもしれません。
調べて分かったことは、とても初心者向きとは思えない複雑なシステムになっているということ。

オフショア投資では、積み立てたお金が「初期口座」と「貯蓄口座」で管理されており、最初の2年は初期口座に振り分けられます。
初期口座への積立が終わると、その後は貯蓄口座へと振り分けられるようになります。

なんで?と思いますよね。

莫大な手数料

このような意味不明な仕組みにするのは、もちろん理由があるのです。
実は、初期口座に積み立てられたお金は、そのほとんどが運用会社への手数料として無くなってしまいます

ある商品では、初期口座から月0.5%が手数料として徴収されますが、契約する際には「初期口座にはボーナス特典があるので、多めに積み立てるほうが有利です」と言われるとか。

ボーナスにはいくつか種類があり、初期ボーナスは「積立額と契約年数」に応じて積立初月に○ヶ月分が加算されるという仕組み。

例えば、25年契約なら初期ボーナスは6ヶ月分。
月5万円の積立にすれば、30万円がいきなり初期口座に加算されることになります。

「うおおー!30万円も貰えるのか!オフショア万歳ッ!!」と喜ぶのは大きな間違いですよ。

ボーナスは「初期口座へ加算」されるため、毎月0.5%という莫大な手数料を取られる対象に
0.5%なんて安いもんやろ?と感じますが、30万円なら月1,500円、年間で18,000円。年率で考えると、なんと6%もの手数料がかかるということです。

しかも、初期口座への積立は2年で終了しますが、手数料は契約中ずっと発生します
ということは、ボーナスを貰ったところでいずれ手数料として回収されるのです。

仕組み上、契約期間が長くなるほど元本に対する手数料比率は低くなりますが、それでも高額な手数料であることには違いありません。

高利回りが得られる可能性はあるけど、得られるとは限らない。しかし、莫大な手数料だけは間違いなく発生する!

そういうことです。
そもそも、これだけ複雑な仕組みにしている時点で、初心者に理解させるつもりがない=初心者向きなわけがない。

「初心者(からカモるため)には向いている」というのが正しい表現でしょう。

あまりにも解約しづらい仕組み

途中で不安になって解約しようとしても、落とし穴があります。

それは、初期口座へ積み立てたお金がほとんど戻ってこないということ。
解約手数料として、なんと初期口座へ積み立てた分からほぼ全額が徴収されるのです。

貯蓄口座の分はほとんど戻ってくるようなので、運用結果によっては増えている可能性もあります。
ただ、初期口座分は回収されるので、途中解約をしたくても踏ん切りがつかない状態に陥りますね。

仮に、契約から1年で解約しようとすれば、約60万円を失います。
それを自分の愚かさによる損失だと思えれば、そこでさっさと損切りを決断するのが賢明です。

注意喚起は誰のため?

オフショア投資を紹介するとき、「初期口座は解約するともったいないから頑張って積み立てを継続しましょう。その後は積立額を減額・停止することもできますよ♪」と言う人がいるそうです。

その後とは貯蓄口座への積立分ということですが、オフショア投資では「初期口座=手数料・貯蓄口座=運用」という役割になっています。

つまり、初期口座だけ積み立てて貯蓄口座で減額・停止すれば、まともに運用益が得られずただ手数料を取られるだけで終わります。なぜこのような説明をされるのか…理由は分かりますよね?

そうすることで、紹介者が儲かるからです

紹介者は、積立額と契約年数によってキックバックを受け取っているようで、初期口座の積立中に解約された場合、キックバックも減ってしまうとか。
そのため、何としても最初の2年は積立を継続してもらいたいのです。

その後はどうなろうと知ったこっちゃないので、積立額を減額してもええよと言うのが定石だそうですね。決して、あなたの懐事情を心配をしているわけではございませんよ!

まとめ

ここでは僕がネットで調べた情報を元に、オフショア投資の危険な一面を紹介していきました。
その結果を一言で表すと、「確実に儲かるのはあなた以外の誰かです!」ということ。

圧倒的、手数料ビジネスッ!!
ただ、実際に契約したわけではないため、どのような商品があり、どのような仕組みになっているのかを完全に把握しているわけではないです。

もしかしたら、本当に良い商品があるのかもしれませんし、誤った認識の部分もあるかもしれません。
それでも資産形成に向いているとは思えないのが正直なところ。

ひとまず、知人に紹介してもらって実際に話を聞きに行ってみようかと思います。
まぁ本当に良い商品があったとしても、そんな話が「投資のド素人」の元へ来るなんて有り得ないですけどね。

【オフショア投資は危険?!】初心者のふりして潜入捜査してきた

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