8/2の日経平均は前日比2,182円安となり、最近になって新NISA(とくに成長投資枠)を始めた方にとっては不安が大きかったのではないでしょうか。
僕は日本株にはほぼ投資していませんが、米国株も株安&急激な円高によってこの1ヶ月で資産は大きく目減りする結果に。
ただ、僕はこれまで何度かそれなりに大きな下落を経験してきたことや、今のところ運用資金は生活に影響を与えないといったことから、とくに心配はしていません。
当ブログでは一貫して米国株もしくは全世界株への長期積立投資を推奨していますが、そのなかで「(相当の理由がない限り)何があっても途中で積立はやめないように」と念押ししています。
それは、このような下落局面でも積立をやめずに継続することが、資産形成においてとても重要になるからです。
もちろん、理想を言えば先月頃までの株高&円安時に一度現金化しておいて、下落局面で再び参入するほうがいいわけですが、それは現実的ではないですよね。
であれば、どのような状況においてもただひたすらに積立を続け、いずれ世界経済が成長していくことを信じてBETするのが最善手になります。
下落局面での積立が重要な理由については、ドルコスト平均法の記事で解説していますので、興味があればこちらもご覧ください。
大暴落と煽る人は信用できない
ところで、このような大幅な株価下落があると毎回のようにメディアが騒ぎ出しますが、今回は「歴代2位の下げ幅」ということもあり、非常に不安を煽る見出しの記事やYouTubeの投稿を見かけますね。
「歴代2位の下げ幅」とそれだけを見ると、確かにおおごとのように感じます。とくに、投資の知識・経験が浅い人ほどそう感じるでしょう。
しかし、今回の件で投資に慣れていない人を煽って不安にさせるような書き方をしている人は、あまり信用に値しないと思います。
なぜなら、下げ幅で見れば確かに歴代2位ですが、「下げ率で見れば歴代20位にも入らない」程度の下落だったからです。
いつからか忘れましたが、日経平均は過去最高値を更新し、40,000円を超えるほどになっていました。すると、1%の下落だけでも400円下がることになります。
コロナ禍の頃では、日経平均はだいたい20,000円弱くらいで推移していましたが、1%の下落は200円弱。同じ1%でも、金額では倍以上も変わってきます。
つまり、物差しが金額ベースか率ベースかによって、見え方が全然違ってくるんですね。
今回の2,000円超の下落も、率ベースで見れば「約5.8%」となり、まぁ指数の動きとしては確かに大きくはありますが、それなりにある下落のひとつでしかありません。
もちろん、約1ヶ月前の最高値からの下落率では約15%と大きいですし、2,000円安が歴代では大したことのない下落率だったとしても、心配にはなりますよね。
でもね、年初の株価は33,288円だったんですよ。で、8/2の終値が35,909円。これでも年初からだと約7%上がってるんです。
複利の話は置いといて、単純に毎月1%ずつ上がってきて現在の株価35,909円になっていたら、これほどネガティブに騒いでいたでしょうか?
むしろ、毎月のように「最高値更新!」とポジティブなイメージになっていると思うんですよね。
しょせん現在の株価は前後の動きによってプラスにもマイナスにも受け取れるもので、株価だけを見ても本質は捉えられません。
日本株の未来は僕にはわかりませんが、米国株・全世界株に関しては20年・30年後には今よりも株価が上がっている可能性は非常に高いと思います。
どういった目的で投資を始められたかは人にもよるでしょうけど、将来を見据えての投資であるならば、現状の株価は気にすることなく、淡々と無理のない範囲で積立投資を継続するのみ。
ただし、現状の株価を気にする必要がない投資対象は限られてくると思うので、その点はしっかりと勉強しておきましょう。
どう勉強すればいいかわからない方には、とりあえず米国株・全世界株を推奨します。なぜこれらは将来株価が上がると思えるのか?について調べ、その理由が腑に落ちればそれで良し。
何か引っかかる点があるならば、無理にやる必要はありません。自分で納得できる投資対象を見付け、将来に備えられるようにすればいいと思います。
少なくとも、ネガティブワードで煽って注目させるような人たちは、あまり信用しないほうがいいでしょうね。彼(彼女)らはとにかく視聴数を稼ぐことが第一の目的。
ほぼ例外なく、記事もしくは動画の最後に「投資は自己責任で」と言い、自身の言動に責任を持とうとしません。
全員がそうとは言いませんが、無責任な発信者に惑わされないよう気を付けていただきたいと思います。
日経平均の下落率ワースト20
最後に、2020年時点のデータですが、日経平均の下落率ワースト20を載せておきます。
日付 | 終値 | 前日比 | 下落率 |
---|---|---|---|
1987/10/20 | 21910.08 | -3836.48 | -14.9 |
2008/10/16 | 8458.45 | -1089.02 | -11.4 |
2011/3/15 | 8605.15 | -1015.34 | -10.6 |
1953/3/5 | 340.41 | -37.81 | -10.0 |
2008/10/10 | 8276.43 | -881.06 | -9.6 |
2008/10/24 | 7649.08 | -811.90 | -9.6 |
2008/10/8 | 9203.32 | -952.58 | -9.4 |
1970/4/30 | 2114.32 | -201.11 | -8.7 |
2016/6/24 | 14952.02 | -1286.33 | -7.9 |
1971/8/16 | 2530.48 | -210.50 | -7.7 |
2013/5/23 | 14483.98 | -1143.28 | -7.3 |
2000/4/17 | 19008.64 | -1426.04 | -7.0 |
1949/12/14 | 98.50 | -7.38 | -7.0 |
2008/11/20 | 7703.04 | -570.18 | -6.9 |
2008/10/22 | 8674.69 | -631.56 | -6.8 |
1953/3/30 | 318.96 | -23.03 | -6.7 |
2001/9/12 | 9610.10 | -682.85 | -6.6 |
1972/6/24 | 3421.02 | -242.14 | -6.6 |
1990/4/2 | 28002.07 | -1978.38 | -6.6 |
2008/11/6 | 8899.14 | -622.10 | -6.5 |
過去にはわずか37円の下落が10%もの暴落になっているのです。
金額ベースでものを言うのがいかに不適切か、よくわかるデータではないでしょうか。
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