今の時代、貯金だけでは将来が不安になりますよね。だからといって投資をするのも損をしそうで怖い…という方は多いでしょう。
でも、心配する必要はありません。
将来のための資産形成は、ただ積立投資をしていくだけで大丈夫です。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、平たく言えば毎月積立をしていく手法です。小難しく書くと、価格が変動する商品を一定の金額で、時間を分散して購入していくこと。
これにより、価格が高いときには購入数が少なく、安いときには購入数が多くなり、「平均取得単価」を均すことができます。
例えば、ある商品を毎月1万円ずつ購入するとします。
株価が1,000円だった場合、その月は10株購入できますね。翌月、もし株価が1,200円になっていたら8株しか購入できません。
このとき、合計2万円で18株保有していることになり、1株あたりの平均取得単価は1,111円となります。
株価は1,200円なので、1株あたり89円の利益×18株で、現時点ではプラス1,602円です。
翌月、株価が900円に下がりました。
すると、今月は11株購入できるので、合計3万円で29株の保有、平均取得単価は1,034円に下がることに。
株価は900円なので、1株あたり134円のマイナス、合計ではマイナス3,886円になってしまいます。
この時点ではドルコスト平均法の良さが分かりませんよね。
翌月、株価が800円に下がり、マイナスはさらに膨らみましたが、その翌月には株価は最初の1,000円に戻ったします。
これまで合計5万円で51株を購入できているので、平均取得単価は980円に。すると、株価は最初の1,000円に戻っただけなのに、1株あたり20円の利益、合計ではプラス1020円となりました。
【毎月1万円購入する場合】
月 | 株価 | 購入株数 | 保有株数 | 平均取得単価 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|
1月 | 1,000円 | 10株 | 10株 | 1,000円 | 0 |
2月 | 1,200円 | 8株 | 18株 | 1,111円 | +1,602円 |
3月 | 900円 | 11株 | 29株 | 1,034円 | -3,886円 |
4月 | 800円 | 12株 | 41株 | 975円 | -7,175円 |
5月 | 1,000円 | 10株 | 51株 | 980円 | +1,020円 |
株価が安いときに多くの株数を買えたことにより、平均取得単価が下げられたため、元の株価に戻っただけで利益が出るようになったんですね。
投資手法に正解はない
ドルコスト平均法では、投資を始めたときより株価が低くても利益が出る可能性はあります。
一方、ひたすら右肩上がりや大きく下げることのない相場では、初期に一括投資をしたほうが有利。
どのような手法でも一長一短があるもので、どちらが正解・不正解というものではありません。
ただ、これから投資を始める場合、一括投資するほどの資金がなかったり、資金はあっても経験がなければ一括投資をするのは怖いですよね。(経験あっても怖いけど)
一括投資が有利と聞いて投資した途端に暴落が起きると、長期間にかけて大きなマイナスを抱えてしまうこともあります。
機会損失を防ぐ
ドルコスト平均法のメリットは、ルール通りにすることで感情を持ち込まず、機械的に投資ができること。そのおかげで、機会損失を防ぐことに繋がります。
投資をしようとすると、人はどうしてもそのときの株価が高いのか安いのか?を考えてしまいます。
現在の株価を投資判断の基準にすると、必ずと言っていいほどタイミングを逃す機会が増えるでしょう。
自分では「ちょっと高い気がするし少し待とう」と考えていると、それに反して株価が上昇し続け、投資するタイミングを完全に見失うことになりかねません。
実際、リーマンショックからしばらく経った2013年頃から、米国株は割高だと言われ続けたにもかかわらず、2020年のコロナショックまで大きな暴落もなく上昇を続けました。
タイミングを計っていると、こういった状況で資産を増やすチャンスを逃してしまいます。
ドルコスト平均法は自分の感情を抜きにして積立するだけなので、株価がいくらであろうと淡々と投資を続けることができるのです。
一括投資が有利だとしても
当ブログでは米国株・全世界株に投資をすることをお勧めしています。世界経済は今後も成長を続ける可能性が極めて高く、そこに投資をしていれば資産が増えていくことに繋がるからですね。
その前提であれば、たしかに一括投資のほうが高いリターンに期待できると思います。
ただ、多くの人にとってはその原資がないし、毎月の収入から一定額を投資していくのが現実ですね。
仮にまとまった資金が手元にあるなら、その資金を分割して多めに積み立てていくことで、効率的に運用していくことができます。
ひとまず100万円を運用に回したいなら、一度に投入するのではなく、毎月10万円を10ヶ月に分割。その後は毎月の収入から一定額を積み立てていけばいいです。
一寸先は闇…と言われるように、人生は何が起こるか分かりません。人生のリスクに備えるためにも、コツコツ積立をしていくのが「ベスト」ではなくても「ベター」な投資となるでしょう。
そもそも、ドルコスト平均法と一括投資は比較するような性質のものではないですからね。
投資で重要なのは継続すること
ドルコスト平均法は、ルール化することで投資を継続しやすくするためにも最適な方法。
世界一の投資家と呼ばれるウォーレン・バフェット氏の格言に、以下のものがあります。
- ルール①…絶対に損をしないこと
- ルール②…ルール①を絶対に忘れないこと
投資において絶対に損をしないためには、手を出さないしか方法がないので、あくまでも心構えとして考えてください。
僕たちは、なるべく損をしないことを心掛け、それを忘れずにいることが重要ということ。
そして、なるべく損をしない投資こそが、当ブログで推奨している米国株・全世界株への長期投資です。
米国株では、これまで約20年の長期間でみたとき、リターンがマイナスになることはありませんでした。つまり、損をしなかったということ。
もちろん、今後も20年の長期なら必ずプラスになる保証はありませんが、その可能性は限りなく高いと思われます。それが資本主義の仕組みだからです。
損をしないために必要なのは、途中の株価に翻弄されることなく、投資を継続すること。
万人がもっとも簡単にそれを実行できる方法こそが「ドルコスト平均法」なんですね。
最高の結果を望むより最悪の結果を避ける
最悪の結果とは、大損をして投資を止めてしまうこと。最高の結果とは、株価が安いときに大量に買い付け、株価が高いときに売却することですね。
しかし、最高の結果を望むと株価の割高・割安を常に考える必要があり、判断を誤ると2013年頃のように投資期間を失う可能性もあります。
最悪、高値掴みをして直後の暴落で焦って損切り…なんてことも。つまり、最高の結果を求めると、最悪の結果に結びつく可能性があると言えます。
米国株や全世界株は、これからも上げ下げを繰り返しながら株価は上昇していく可能性は高い。
ドルコスト平均法は最高の結果は望めなくても、最悪の結果を避けることができる方法ではないでしょうか。
まとめ
投資の方針は100人いれば100通りあるように、万人にとってベストな投資法などありません。
ただ、投資に疎い人でも時間をかければ結果を出せる可能性が高い方法がドルコスト平均法であり、ベストではなくてもベターな選択肢と言えるはず。
一般的な定義では「定額」で投資をするとされていますが、定額にこだわる必要もありません。その時々で積み立てられる金額を、自分ができる範囲で継続していくことが重要です。
米国株・全世界株への積立投資は「退屈で面白みのない投資」と言われることがあります。実際にやっている僕でも、確かに退屈やし面白さは感じないですね。
ただ、僕は資産形成のためにやっているのであって、そこに面白さを求めているわけではありません。
投資に興味のない方なら、同じように感じるのではないでしょうか。
投資が好きな人は色んな手法で楽しみを追求すればいいし、そうでなければドルコスト平均法で「投資をしていることすら忘れる」くらいがちょうどいい。
コツコツと積立投資をしていくだけで、複利の力を活かすことができるのです。
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