2025年4月から、自己都合で退職した場合でも失業手当がもらえるまでの期間が大幅に短縮されます。
これまでは「待期期間＋給付制限」で2〜3ヶ月かかっていた支給までの期間が、最短で約1ヶ月に。さらに、条件によっては給付制限が完全に解除されるケースもあります。
この記事では、制度改正のポイントや、失業手当を早く受け取るための方法、教育訓練給付制度の活用法などをわかりやすく紹介します。
給付制限が1ヶ月に短縮！2025年4月からの変更点
自己都合退職の人にとって、失業手当はすぐにもらえないのがこれまでの常識でした。
しかし、2025年4月からは以下のように変更されます。
■ 変更前（これまで）
- 7日間の待期期間
- 2〜3ヶ月の給付制限期間
- 実際に受け取れるのは退職から約2〜3ヶ月後
■ 変更後（2025年4月〜）
- 7日間の待期期間
- 原則1ヶ月の給付制限期間
- 条件次第では給付制限なし
つまり、最短で約1ヶ月後には失業手当を受け取れるようになります。
ハローワークでの手続きや初回認定日（通常3週間後）、そこから1週間ほどでの支給という流れがあるため、実際には約1ヶ月ほどかかることになります。
教育訓練を受ければ給付制限がなくなる！
失業手当を早くもらいたいなら、「教育訓練の受講」がカギになります。
ハローワークが認める教育訓練を受講することで、自己都合退職でも給付制限が免除されるのです。
さらに「教育訓練給付制度」を使えば、受講にかかる費用の一部を補助してもらえます。
教育訓練給付制度の種類と支給額
| 種類 | 支給割合 | 上限額 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 費用の20% | 上限10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 費用の40% | 上限20万円 |
| 専門実践教育訓練 | 費用の最大70% （資格取得で+10%） | 上限56万円 |
※訓練の種類や条件によって支給額が変わります。
※講座の検索はハローワークの「教育訓練講座検索システム」などで可能です。
繰り返す自己都合退職には要注意
制度が緩和されたとはいえ、何度も自己都合で辞めている人には厳しめの対応も。
具体的には、過去5年以内に3回以上の自己都合退職をしている場合は、これまで通り3ヶ月の給付制限が課されます。
不正受給を防ぐための措置という位置づけなので、心当たりがある方は要注意です。
失業手当の支給期間・金額はどのくらい？
失業手当がもらえる「期間」や「金額」は、以下の条件で決まります。
■ 支給期間（自己都合退職の場合）
| 雇用保険加入年数 | 給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10〜20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
■ 支給金額
退職前の賃金日額の 45～80% が支給されます（年齢・退職理由・賃金水準などにより異なる）。
再就職でもうれしい制度「再就職手当」
失業手当の受給期間が残っているうちに再就職が決まると、「再就職手当」が支給されます。
これは残りの給付日数の 60%相当 が一括で支払われるという制度。
つまり、「早く就職しても損にならない」どころか、ボーナス的にもらえるので再就職の意欲も上がりますね。
2028年からは雇用保険の加入条件が緩和
少し先の話になりますが、2028年10月からはパートやアルバイトでも雇用保険に入りやすくなります。
■ 現在の加入条件（パート・アルバイト）
- 週20時間以上の労働
- 31日以上の雇用見込み
- 学生以外であること
■ 2028年10月以降の新条件
- 週10時間以上の労働
→ より短時間でも加入可能に！
加入対象が広がることで、失業時や育休・介護時の給付を受けられる人も増えそうです。
雇用保険は「保険料が安くて手厚い」制度
「手取りが減るのでは？」と心配する方もいるかもしれませんが、雇用保険の自己負担額は給料の0.6%（6/1000）程度。
例えば月給10万円なら、月600円ほどです。
これで失業手当・育児休業給付・教育訓練給付などが受けられると考えれば、コスパの良い制度と言えますね。
まとめ：制度を知れば、安心して次の一歩が踏み出せる
2025年の制度改正は、「早く再スタートを切りたい人」を後押しする内容となっています。
特に教育訓練を活用すれば、給付制限を受けずに失業手当が受け取れるだけでなく、スキルアップのための費用補助まで受けられるのは大きなメリットです。
雇用保険は「失業手当」だけでなく、育児休業給付や介護休業給付など、人生の転機を支える制度でもあります。
制度をうまく使えば、自分自身の生活を守り、前向きな転職や学び直しにつなげることも可能です。
知らなかったではもったいない！
ぜひ今のうちから情報をチェックしておきましょう。
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