老後の経済対策として注目される「iDeCo(個人型確定拠出年金)」という制度をご存知でしょうか?
自分で年金を積み立てる仕組みで、節税や非課税といった魅力がある一方、制度の内容をよく理解していないと後悔することもあります。
この記事では、iDeCoの基本からメリット・デメリットまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
iDeCoの3大メリット
iDeCoには主に以下の3つのメリットがあります。
1. 掛金が全額所得控除になる
最大のメリットは、掛金が「全額所得控除」の対象になること。
つまり、支払う所得税・住民税が軽減されます。
たとえば、年収350万円の人が年間24万円(毎月2万円)を拠出すると、
- 所得税:約1.2万円
- 住民税:約2.4万円 と、年間3.6万円の節税になります。
収入が高い人ほど、節税効果はより大きくなります。
専業主婦や扶養内の方は要注意
所得税を支払っていない場合、この控除のメリットは受けられません。
将来的に働かなくなる可能性がある方は、新NISAとの併用や優先を検討するのがおすすめです。
新NISAの詳細は、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
2. 運用益が非課税
通常、投資による利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCo内での運用益はすべて非課税。
利益が出たタイミングで商品を乗り換える(スイッチング)際も、課税されません。
例えば:
- 若いうちは株式メインの攻めの運用
- 定年が近づいたら債券や定期預金に切り替える
といった戦略が、非課税で実行できます。
3. 受取時にも税控除の優遇がある
「非課税」と言われるのは運用益に対してで、受取時には原則「所得」として課税されます。
しかし、
- 一時金で受け取る:退職所得控除
- 年金形式で受け取る:公的年金等控除
といった控除があり、実際には多くの人が非課税または低課税で受け取れます。ただし、計算はちょー複雑怪奇なので、退職金などと重なる場合は専門家に相談するのが安心です。
受け取り時の課税については、こちらの記事で詳しく解説しています。
iDeCoのデメリットと注意点
制度を活用するうえで知っておきたい3つのデメリットがあります。
1. 原則60歳まで引き出せない
iDeCoは「老後資金」のための制度なので、原則として60歳まで資金を引き出せません。
毎月の掛金は無理のない範囲で設定し、生活資金に支障が出ないよう注意しましょう。
2. 手数料がかかる
最低限発生する手数料には以下があります:
- 国民年金基金連合会への手数料
- 信託銀行や運営管理機関への手数料
金融機関によって意外と差があるので、どこを選ぶかはとても重要。
ネット証券(SBI証券や楽天証券)を選べば手数料は最小限にできます。
iDeCoの手数料については、こちらの記事で比較しているので参考にしてください。
3. 加入期間が短いと受取が遅れる
受取開始年齢は加入期間によって異なり、10年以上でないと60歳からの受給はできません。
加入期間 | 受給開始年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳 |
8年以上 | 61歳 |
6年以上 | 62歳 |
4年以上 | 63歳 |
2年以上 | 64歳 |
1ヶ月以上 | 65歳 |
始めるのが遅い場合、注意しておきましょう。
まとめ:iDeCoは長期視点で使うべき制度
iDeCoは制度の仕組みさえ理解すれば、節税・非課税・控除のトリプルメリットで資産形成を後押ししてくれる強力なツールです。
ただし、
- 途中で収入がなくなる可能性がある人
- 手数料コストが気になる人
は新NISAの活用も視野に入れ、ライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
コメント