日本は長年にわたって経済成長が鈍化し、「働けど働けど我が暮らし楽にならず…」という状況が続いています。将来のために貯金はしているけれど、本当にそれで大丈夫?と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、今の超低金利時代に「貯金だけ」で資産を築くのは、かなり難易度が高いです。ですが、誰でも活用できる心強い武器が一つあります。それが 「複利の力」 です。
複利とは?お金が「雪だるま式」に増えていく仕組み
あのアインシュタインが「人類最大の発明」と称したとも言われる複利。その正体は「利益を再投資することで、お金がさらにお金を生む」仕組みのことです。
たとえば、1万円を年5%で運用した場合…
年数 | 元本 | 利益 |
---|---|---|
1年目 | 10,000円 | 500円 |
2年目 | 10,500円 | 525円 |
3年目 | 11,025円 | 551円 |
最初は微々たる増加に見えますが、これが20年、30年と続けば、まさに“雪だるま式”にお金が増えていきます。
積立×複利=最強コンボ!
元本が少ないと「20年で1万円が2万5000円か…うーん…」と感じるかもしれませんが、複利の真の力が発揮されるのは「積立とセット」にしたときです。
たとえば、月1万円を積立て、年利5%で運用するとこうなります:
年数 | 元本 | 利益 | 合計 |
---|---|---|---|
10年 | 120万円 | 約75,000円 | 約1,275,000円 |
20年 | 240万円 | 約200,000円 | 約3,970,000円 |
45年 | 540万円 | 約1,460万円 | 約2,000万円 |
月1万円の積立が、45年という時間を味方につけることで約2,000万円に!
元本は540万円なので、ざっと4倍近くになる。これが「複利の力」です。
月に1万円なら、若いうちからでも難しくはないのでは?
年利5%は現実的?──株式投資が鍵
「でも、5%なんて本当に可能なの?」と感じる方も多いでしょう。
実は、全世界株や米国株なら、過去平均リターンが6〜7% といったデータもあり、年利5%は決して夢物語ではありません。とくに米国株は、これまで6.8%程度の成長率を示してきました。
もちろん将来の保証はありませんが、少なくとも 0.001%の銀行金利と比べれば雲泥の差 です。
株式投資はギャンブルみたいで怖い、と思っている方が多いかもしれませんが、実際は資産形成の大いなる味方。詳細は別の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
時間を味方につけることが最大の武器
複利は「時間」とセットで本領を発揮します。早く始めれば始めるほど、元本が育ち、複利の効果も早く効いてきます。
先述したように、20歳から65歳まで月1万円の積立で、540万円が約2,000万円になります。
もちろん、余裕があるときはもっと積立額を増やすこともアリ。
20歳から始めなければいけないわけではないですが、「時間」こそが、一般人でも資産を増やす最大の武器となるのは間違いありません。
すでに資産がある人の戦略
30代・40代である程度の資金がある人は、「まとめて投資 or 分散して投資か」で悩むかもしれません。
理論的には一括投資のほうが有利ですが、初めてだと心理的負担が大きいですよね。そこでおすすめなのが、まずは少額の積立から始め、数年かけて全額を投資する方法。
投資に感覚が慣れてきたら積立額を増やし、数年かけて用意した資産を移していくのがいいでしょう。
途中で暴落があっても、投資額が少なければ金額ベースでのダメージも少ないですし、売らない限りは損をするわけではないので安心してください。
むしろ、経験者としては始めのうちに暴落を経験しておくほうが、後々に活きてくると思います。
老後も安心?──「運用しながら取り崩す」という考え方
仮に年率5%・月1万円の積立を20歳~70歳まで続けたとすると、70歳時点で約2,600万円になります。
これを老後資金として毎月10万円ずつ取り崩すと、91歳8か月で資産はゼロに。2,600万円あっても長生きすれば足りなくなるって考えると怖いですね。年金が少ない場合はなおさら。
しかし、運用は70歳でやめなければならないというルールはありません。高齢になれば、値動き(リスク)の大きい株式だけではなく、値動きの小さい債券などを組み合わせて運用することが理想的。
そうして想定年率3%で運用を続ければ、月10万円を取り崩しても104歳8か月まで資産は持つようになります。
つまり、老後も運用を続けることで「長生きリスク」に備えることができます。
実際のシミュレーション例
パターン①
- 投資期間:20~70歳(50年)
- 月額:1万円
- 年利:5%
→ 約2600万円に!
パターン②
- 投資期間:30~60歳(30年)
- 月額:3万円
- 年利:5%
→ 約2500万円に!
もっと色んなパターンを試したい方は、こちらのサイトでシミュレーションできます。
まとめ|今すぐ始めれば、未来は変わる
現代は「運用しないリスク」がどんどん大きくなっている時代です。昔のように貯金だけで安心な未来がくることは、まずありません。
ですが、「複利の力」と「時間」を味方につければ、普通の人でも資産形成が可能です。
しかもやることはシンプル。
毎月積み立てて、あとは放置。
これだけで、あなたの未来は変わります。
より効率的に資産形成をするには、新NISAやiDeCoの制度を利用することをおすすめします。
▶ 新NISAの解説はこちら
👉 新NISAとは?投資初心者にもわかりやすく解説
▶ iDeCoの解説はこちら
👉 iDeCoとは?メリット・デメリットを理解して老後の経済対策を!
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