資産形成に米国株式が推奨される理由を解説

ゼロから始める資産形成術

昨今、以前に比べてYouTubeやinstagramなどで資産形成の話題が多く見受けられるようになりましたが、その中でもよく推奨されているのが「米国株式」です。

同様に「全世界株式」も推奨されていますが、基本的に推奨されている理由は同じというか、現状は全世界株式に占める米国株式の割合が非常に大きいため、どちらに投資しても同じような意味になります。

ここではなぜ米国株式が推奨されているのかについて、その理由を解説していきます。

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世界経済を牽引する米国

現在、世界経済の中心はどの国か?と聞かれると、どの国を思い浮かべますか?

おそらく、米国が思い浮かべたのではないでしょうか。みんな大好き「apple」や「Amazon」だけでなく、「Google」や「Microsoft」といった大企業の多くは米国発祥。

他にも「コカ・コーラ」や「マクドナルド」などの飲食業界でも世界規模で展開している企業が多いです。

NY(ニューヨーク)ダウという言葉は聞いたことあるでしょうか?

このグラフはNYダウの「株価推移」です。

NYダウとは「米国を代表する30社を対象にした株価指数」で、噛み砕いていうと米国経済の指標みたいなもの。米国経済はこのグラフのように上下しながら成長してきたということです。

グラフを見ればわかるように、所々で下落することはあっても長期的には上昇していますね。ほんの20年ほど前に約1万ドルだった株価は、現在では約4万ドルに。

単純に、20年前に投資をして放置していれば、その資金は約4倍になったということ。

2008年頃にグラフが急降下していますが、これは「リーマンショック」があった時代です。

このおかげで2000~2010年くらいでは株価がほとんど上がらない結果となっていますが、その後の伸びが凄いことになっています。

結果、2010年頃からの10年ちょっとで株価が約4倍になっているわけですが、このように株価は時期によって大きく伸びることもあれば、ほとんど変わらないこともあります。

長期的な視点が重要

ここから僕たちが学ぶべきことは、短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点で資産形成を行う必要があるということ。

グラフの前半部分はわかりづらいですが、1990~2000年頃にかけても株価は4倍近く上がっています。

一方、1970~1980年にかけては、ほとんど株価は上がっていません。しかし、トータルで見たときは以下のようになります。

株価10年前
との比較
1970年
との比較
1970年839ドル
1980年963ドル1.14倍1.14倍
1990年2,633ドル2.73倍3.13倍
2000年10,787ドル4.09倍12.85倍
2010年11,577ドル1.07倍13.79倍
2020年30,606ドル2.64倍36.4倍

この記事は改めて書きなおしていますが、2024年7月現在ではNYダウの株価は約4万ドルとなっています。1970年と比べれば約47倍と、2020年時点からさらに伸びていますね。

ただし、これは過去の結果なので、今後もこのようになる保証はありません。とはいえ、米国のような世界的大企業が多い国は、今後も安定した経済成長が期待できる=株価上昇に期待ができます。

また、経済成長という意味では米国以上の経済成長をする新興国もあります。そういった国は米国以上に株価の上昇に期待できるのかというと、そうとは限りません。

なぜなら、新興国はいつまで成長が続くか読めないし、逆に一気に衰退していく可能性もあるため、「安定」した期待ができないのです。

一時期、BRICSと呼ばれるブラジルやロシアなど、今後の高成長が期待される国がありましたが、今ではかなり低迷しているのが現実。

その点、米国は今後の圧倒的な成長には期待ができなくても、安定した成長に期待が持てるため、資産軽視柄に向いていると考えられています。

株式は長期的に高リターンをもたらす

投資には債券・金など、株式以外にも様々な対象がありますが、長期的には株式のリターンが圧倒的に優れているという事実があります。

これは主要な投資対象の過去200年ほどのリターンを示した図になりますが、左上の図を見ればわかるように株式が最も高いリターンになっています。

数字だけ見れば大きな差はないように見えますが、長期間の複利運用ではこの差はとんでもない差になります。

仮に、毎月1万円を6.6%(株式)と3.6%(債券)のリターンで200年間の運用をした場合、株式は約9,400億、債券は約44億という結果に。ちょっと桁がデカすぎて意味わかりませんが…

現実的に30年の運用で考えた場合、株式は約1,100万円、債券は約640万円となるので、これだけでも大きな差になることはわかりますね。

アメリカのデータなので通貨はドル基準ですが、現金は長期的にマイナス、要はインフレによって価値が目減りしていくことになります。

1ドルは10年後も1ドルでしかなく、それ自体の価値が上がることはないですよね。

一方、株式は企業が成長すればそれ自体の価値(株価)が上がり、他の資産に比べて高いリターンをもたらしてくれることになります。

ここで示したリターンは過去の結果でしかないので、今後も同様のリターンになるかはわかりません。

しかし、仕組み自体は変わらないので、株式が最もリターンをもたらしてくれることも変わらないと言えるでしょう。

米国は実力主義社会

米国には世界を代表するような大企業が数多く存在していますが、なぜそのようなことが起こるのか?

簡単に言えば、それが米国のスタイル・国民性だからです。

以前、ツイッター社が従業員を大幅に削減するといったニュースをご覧になったかもしれませんが、米国は従業員に対して非常にシビアですね。

日本では従業員を簡単にクビにすることはできませんが、米国ではそれが当たり前に起こります。

一方で、米国では実力があれば相応の報酬が得られることも。appleの最高経営責任者は、なんと約60億円もの報酬を受け取っているとか。

日本だったらそんな報酬与えるよりも、値下げしてお客様へ奉仕しろ!と言われそうですね。

そんな実力主義の米国だからこそ、アメリカンドリームを掴もうとする人たちが鎬を削り、より良い商品・サービスが生まれています。

役員に限らず、米国では社員のインセンティブがストック・オプション(自社株を一定価格で買い付ける権利)に拠っていることも多いとか。

ストック・オプションを簡単に説明すると、自社の株価が上がれば社員が得するという制度。自分たちの頑張りがそのまま自分の利益に結び付くとなれば、社員もやる気が出ますよね。

また、会社の株価が上がると、株主の利益にもなります。つまり、会社・従業員・株主の利益が一体化しているため、非常に合理的な経営がされるのです。

米国では新しいビジネスに挑戦しやすい環境も整っています。

例えば、自動運転は事故のリスクがありますが、それ以上に実現したときのメリットがあれば、どんどんチャレンジさせるのが米国。

逆に、問題が起きたときに「それ見たことか」と非難されるのを恐れ、チャレンジさせないのが日本ですね。

従業員のやる気を引き出させる仕組み、新たなビジネスにチャンレンジさせる環境、これらによって米国ではイノベーション※が起こりやすく、世界経済の中心となるのは当然の結果ということです。

※イノベーション…モノや仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新や刷新、変革をもたらすこと

まとめ

資産形成に米国株式が推奨される理由は、一言で言えば裏打ちされた米国経済の強さということになるでしょう。

過去、一つの国が覇権を取り続けたことはないように、いずれ米国の覇権も終わりが来る可能性は高いですが、それがいつになるかはわかりません。

少なくともあと数年から10年程度では起こらない可能性のほうが高いと思いますし、であるならば米国経済へ投資することが合理的ですね。

その後どうなるかはそのときの情勢を考え判断していかなければならないので、世の中の動向に少しは興味を持って生活していくことは重要だと思います。とくに若い人はね。

最初から米国経済に集中投資することが躊躇われるなら、全世界株式への投資も良いでしょう。

いずれにせよ、早くから投資を始めることで将来の経済的不安が和らぐことは間違いないので、興味を持てば是非始めていただきたいと思います。

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