付加年金とは?国民年金加入者なら利用しておきたい制度

ゼロから始める資産形成術

ほとんどの自営業やフリーランスの方は、国民年金に加入されていると思います。

会社が掛金の半分を負担してくれる厚生年金とは違い、国民年金は全額負担となるので支払いがつらい…という方もおられるでしょう。

しかし、年金は老後、生涯にわたっての収入源となるため、基本的にはしっかりと納付しておくことをお勧めします。

今回は、そんな国民年金加入者(第一号被保険者)にとって、将来受け取れる年金額を少しでも増やせる制度である「付加年金」を紹介。

増える額はそこまで大きくないですが、コスパだけで見ればかなり良いので知っておいて損はありません。

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付加年金とは

付加年金とは、毎月の国民年金保険料に「付加保険料」として「400円」をプラスして納付することで、将来の年金受給額を増やすことができる制度です。

国民年金が土台の制度なので、当然ながら国民年金を納付していない方は加入することができません。

付加保険料として支払った分は全額が所得控除となるので、支払う税金を(わずかに)減らす効果もあります。

増額される年金額

気になるのが月400円をプラスすることで、一体いくら年金の受給額が増えるのかですね。その額は、「200円×付加保険料を納めた月数」。

例えば、付加保険料を20年間(240ヶ月)納めた場合、保険料は400円×240ヶ月=96,000円で、増額される年金額は200円×240ヶ月なので48,000円(月額4,000円)となります。

20年納めても月額4,000円しか増えへんのかい!と思われそうですが、そもそも保険料を月400円しか納付してないのでそこは仕方ない。

見るべきポイントはそこではなく、たった2年で納付分が回収できる=損益分岐点がめちゃくちゃ早いということです。

国民年金でも約10年で支払った分を回収できるため、もともとコスパは良い制度ですが、付加年金は金額は少なくとも効率という点では圧倒的にお得。

厚生年金がない場合は年金の受給額も少ないですから、少しでも増やせる制度は上手く利用したいですね。

付加年金の注意点

付加年金は国民年金とは違って物価スライド式ではありません

そのため、将来増額される金額は「200円×付加保険料を納めた月数」で固定されます。別に問題ないんじゃないの?と思った方はちょっと注意。

通常、現金の価値というのはインフレ(物価高)によって目減りしていきます。普段の生活では、現金の価値が減るという意識はあまりないかもしれません。

が、50年前のコーヒー一杯の値段は約100円だったのに、今では500円くらいするのが当たり前ですよね。まぁコンビニなら安いですけど。

今後、物価がどのように上がっていくかはわかりませんが、先ほどの例で挙げたような月額4,000円の増額がそのまま4,000円分として使えるとは思わないほうがいいでしょう。

これは預貯金だけで将来の備えをしている方にも当てはまるので、資産形成に関してはしっかりと考えておいたほうが良いと思います。

ちなみに、国民年金は物価スライドなので、物価に合わせて金額も上下します。

国民年金基金との併用はできない

第一号被保険者なら、国民年金基金の案内を見たことがあるでしょう。

国民年金基金も将来の年金額を増やすための制度ですが、付加年金と国民年金基金の併用はできません

国民年金基金にもメリット・デメリットがありますが、制度的にはiDeCo(個人型確定拠出年金)と似ているため、個人的には付加年金との併用ができるiDeCoを利用したほうがいいかなと思っています。

どちらが良いかは本人の考え方にもよるので、それぞれの制度について調べた上で判断していただきたいですね。

まとめ

将来の物価動向にもよるので、一概にめちゃくちゃお得とも言い切れない部分はありますが、損をする可能性はほぼないかなと思います。

月々の保険料が少ない分、加入がしやすく回収も早いのはありがたい。申込については、区役所や年金事務所で確認してください。

資金に余裕があれば国民年金基金、もしくはiDeCoとの併用も選択肢として考えるようにすれば、第一号被保険者でも経済面で老後の不安を減らすことができるでしょう。

iDeCoについてはこちらで詳しく解説しています。

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