iDeCo(イデコ)は資産形成に有利な制度ですが、「知らないと損をする」落とし穴も存在します。
特に、各種手数料は運用成果に大きく影響するため、事前の理解が必須です。
この記事では、iDeCoにかかる手数料の種類や、無駄を省く方法、最適な金融機関の選び方までを初心者にもわかりやすく解説します。
iDeCoの手数料は4種類ある
iDeCoで発生する手数料は、以下の4つの機関に対して支払うものです。
支払い先 | 内容 |
---|---|
① 金融機関(証券会社・銀行) | 運用管理手数料(差が大きい) |
② 国民年金基金連合会 | 加入時・拠出時の手数料(全国一律) |
③ 事務委託先金融機関 | 残高管理などの手数料(全国一律) |
④ 運用商品の運用会社 | 投資信託の信託報酬など(商品により異なる) |
もっとも注意すべきは①の金融機関手数料。
金融機関ごとに無料〜数百円と差があり、選ぶ会社次第で大きな違いになります。
加入者と運用指図者で手数料が違う
iDeCoには以下2つの利用状態があります。
- 加入者:掛金を拠出して運用している状態
- 運用指図者:拠出せず、運用だけしている状態
利用状態 | 手数料の対象 |
---|---|
加入者 | ①〜④すべて |
運用指図者 | ①・③・④(②は不要) |
※運用指図者になると掛金は発生しませんが、「加入期間」としてカウントされないため、将来の受給時の節税効果が小さくなるというデメリットがあります。
金融機関による手数料の違い【選び方のポイント】
2025年時点で、金融機関への手数料が無料の主な会社は以下の通りです。
- SBI証券
- 楽天証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 大和証券
- 岡三証券
- auアセットマネジメント
- イオン銀行
中でもおすすめは、商品ラインナップが豊富で実績もあるSBI証券。もしくは楽天証券やマネックス証券といった「ネット証券」です。
iDeCoの具体的な手数料シミュレーション(SBI証券)
支払い先 | 頻度 | 手数料 | 加入者 | 運用指図者 |
---|---|---|---|---|
国民年金基金連合会 (初回のみ) |
加入時 | 2,829円 | ○ | – |
国民年金基金連合会 | 毎月 | 105円 | ○ | – |
事務委託先金融機関 | 毎月 | 66円 | ○ | ○ |
SBI証券 | 毎月 | 無料 | – | – |
- 加入者の場合、毎月発生する手数料は171円
- 運用指図者は、毎月66円のみ必要
拠出回数を減らせば手数料が節約できる
105円の手数料(国民年金基金連合会)は「掛金を拠出した月」のみに発生します。
つまり、拠出頻度を減らす=手数料の節約につながります。
年間掛金 | 毎月拠出の手数料比率 | 年1回拠出の手数料比率 |
---|---|---|
6万円 | 2.1% | 0.2% |
12万円 | 1.1% | 0.1% |
24万円 | 0.5% | 0.04% |
ただし、年1回拠出は「高値掴み」リスクがあるほか、事前の申請が必要など手間がかかるので、少しでも得をしたい!という人以外は気にしないでおきましょう。
掛金が少ない場合、所得控除もあるので損はしない可能性は高いですが、iDeCoよりも新NISAを活用するほうがいいかもしれません。
👉 詳しくは別記事で解説しています
新NISAとは?!投資初心者にもわかりやすく解説
開始直後に表示される「マイナス」に注意
初回の手数料(2,829円)などが差し引かれるため、iDeCo開始直後の運用成績はマイナス表示になります。
これは損失ではなく、制度上の初期コストですので心配無用。何も知らずに「いきなりマイナスやん!」と嘆いていたのは…私です。
金融機関を変更する「移換」にも手数料がかかる
現在の金融機関から、SBI証券などへ変更する場合、**移換手数料(約4,400円)**が必要です。
しかし、将来的な手数料を考えると、早めに無料の金融機関へ移行したほうが有利になるので、ひと手間かかりますが早めに手続きしておきましょう。
受給時にも手数料がかかる
iDeCoの資産を受け取る際にも注意点があります。
- 一括受取 or 年金形式が選択可能
- 年金形式の場合、1回ごとに440円の手数料が発生
また、税制優遇は一括受取のほうが有利なケースが多いため、節税面でも一括受取が推奨されます。
👉 詳しくは別記事で解説しています
https://non-biri.com/ideco-tax/
結論:iDeCoの手数料を抑えるコツ
- 手数料無料のネット証券(SBI証券など)を選ぶ
- 拠出回数を減らして手数料を節約(※要申請)
- 商品選びも手数料と運用実績を意識して行う
iDeCoは金融商品の手数料(信託報酬)以外にも手数料がかかります。
その手数料は金融機関によって変わるので、言われるがまま加入する前に、少しでも知識をつけてから始めたほうがいいかと思います。
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