iDeCoは資産形成に有利な制度ですが、様々な手数料が発生するため何も考えずに開始するのは危険です。
何も考えずに開始してしまったそこのあなたッ!
全然大丈夫です。ここで手数料について解説していくので、読み終えた頃にはどこの金融機関で運用すればいいかはっきりするはずです。
iDeCoの運用にかかる手数料
iDeCoの運用にかかる手数料は、支払い先が4つに分かれています。
- 銀行や証券会社などの金融機関
- 国民年金基金連合会(国基連)
- 事務委託先金融機関
- 運用する商品の運用会社
この中でもっとも注意したいのが①の手数料。後ほど説明しますが、金融機関による差が大きく、選ぶべきところがはっきりするポイントですね。
②・③にかかる手数料は、どこの金融機関で運用しても同じです。ただ、この2つは金額固定の手数料となるので、掛金が少ないと手数料比率が高くなります。
④は投資信託に支払う手数料で、商品ごとに違います。投資信託は手数料の安さも重要ですが、どこに投資をしているかが最重要ポイント。
まぁ良い商品は手数料が安いので、安さで選んでもいいんですけどね。
加入者と運用指図者
iDeCoでは、「加入者」と「運用指図者」と呼ばれる状態があります。
- 加入者…掛金を拠出している状態
- 運用指図者…拠出せず運用だけ続けている状態
それぞれで、必要になる手数料が違います。
状態 | 必要な手数料 | 加入期間 |
---|---|---|
加入者 | ①~④ | 含まれる |
運用指図者 | ①・③・④ | 含まれない |
加入者はすべての手数料が必要になりますが、運用指図者は②の手数料が発生しません。とはいえ、①と③は拠出していないのに支払うのは非常に無駄な手数料です。
また、運用指図者の間は受け取り時の所得控除を計算する「加入期間」に含まれません。加入期間は受け取り時の節税額に影響するので、事情がない限り加入者の状態を維持しておきたいですね。
金融機関による手数料の違い
では、①の金融機関に支払う手数料を見ていきます。
現在、金融機関に支払う手数料で最安は「無料」です。なので、金融機関に支払う手数料がある時点で、すでに無駄な手数料を支払っていると思ってください。
2023年時点で手数料が無料の金融機関は以下の7つです。
- SBI証券
- 松井証券
- マネックス証券
- 楽天証券
- 大和証券
- auアセットマネジメント
- イオン銀行
口座開設はこの中から選びたいですが、iDeCoは金融機関によって取扱商品が大きく異なります。そこまで考慮すると、お勧めするのはやはりネット証券最大手のSBI証券ですね。
上記以外の金融機関でiDeCoの運用をしている方は、移換手数料が必要でも移換したほうがお得。手数料以外に、取扱商品でもイマイチな可能性が高いので、メリットがマジでないんです!
具体的な手数料
実際に僕が加入しているSBI証券で、具体的にどれくらい手数料が必要なのかを表にしました。
支払先 | 頻度 | 手数料 | 加入者 | 運用指図者 |
---|---|---|---|---|
国民年金基金連合会 | 初回のみ | 2,829円 | ー | ー |
国民年金基金連合会 | 毎月 | 105円 | ○ | × |
事務委託先管理機関 | 毎月 | 66円 | ○ | ○ |
SBI運営管理機関 | 毎月 | 無料 | ー | ー |
iDeCoの開設には初期費用が必要で、これは支払先が国基連なので一律。
現時点での手数料は加入者で毎月「171円」が最安ですね。2018年からは、毎月ではなく年間で拠出金額を調整できるようになり、手数料を少なくすることもできます
拠出回数を減らせば手数料は削減できる
国基連に支払う105円の手数料は、厳密には「毎月」ではなく「拠出のたびに発生する費用」なので、拠出の回数を減らせば手数料も減らせます。
毎月だと年間1,260円のところ、年1回にすれば105円で済みますね。前述したように、この手数料は金額固定なので掛金が少ない人にとっては負担が大きくなります。
例えば、掛金が年間6万円の場合、毎月だと手数料比率は2.1%ですが、年1回だと0.2%に。また、掛金が多いほど、手数料比率は下がります。
掛金(年間) | 手数料比率(毎月) | 手数料比率(年一回) |
---|---|---|
6万円 | 2.1% | 0.2% |
12万円 | 1.1% | 0.1% |
24万円 | 0.5% | 0.04% |
手数料を減らすには年一回が理想ですが、株式(投資信託)で運用している場合はデメリットになる可能性もあります。
仮に年一回の拠出タイミングで株価が大きく上昇すると、高値掴みしてしまう可能性があるからですね。もちろん、逆のパターンもありえるし、長期運用なら気にする必要はないかもしれません。
ただ、最大のデメリットは拠出回数を減らすには「事前に届け出(何月にいくら拠出します)が必要」ということ。たいした作業ではないと思いますが、なんか面倒ですよね。
値動きの少ない債券や元本保証で運用している場合は、拠出回数を減らして手数料を節約するのは合理的。株式の運用でどうするべきかは、各々で判断してください。
ちなみに、僕は毎月拠出にしています。理由は、考えるのが面倒だから!
開始直後は運用益がマイナスになる
iDeCoでは、最初の掛金から初期費用などの手数料が引かれます。
そのため、管理画面で運用状況を見ると最初はマイナスと表示されることになりますが、運用で出た損失ではないので慌てないようにしましょう。
僕はそんなこと知らなかったので、いきなりマイナスかよッ!と少し焦ったのは内緒です。
金融機関の移換に必要な手数料
iDeCoの運用を別の金融機関へ変更するには、主なネット証券では4,400円の移換手数料が必要です。
もし手数料が高い金融機関で口座開設をしてしまった場合、この手数料を払ってでも移換したほうが長い目で見たときに間違いなく有利になります。
受給時の手数料
iDeCoで運用した資金を受け取るときは、一括か年金形式で受け取るか、金融機関によっては併用できるところもあります。
ただ、受給のたびに手数料(440円)が必要になるので、一括のほうが無駄がないです。税控除も一括が優遇されているので、僕は一括で受け取るつもり。
正直、受給時の税金に関しては複雑すぎて考えるのが面倒ですが、一度は目を通しておいたほうがいいかなと思います。
まとめ
長々と書きましたが、一言でまとめます。
四の五の言わずネット証券にしとけ!
iDeCoはNISAのようなポイント還元はないので、楽天経済圏の方でもSBI証券を利用するほうがいいと思います。楽天証券でもいいけど、iDeCoの取扱商品がちょっと微妙なんですよね。
iDeCoで運用する商品を選ぶ際は、こちらの記事を参考にしてください。
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