年金の受給額UP!国民年金基金とは?

ゼロから始める資産形成術

ほとんどの自営業者やフリーランスの方は、第一号被保険者として国民年金に加入していると思います。しかし、国民年金だけでは将来的に受給できる年金の額は決して多くありません。

そのため、現役時代から対策を講じる必要があるわけですが、今回紹介するのはそのうちの一つである「国民年金基金」について。

国民年金基金は将来の受給額を増やすだけでなく、現役時代にもメリットがある制度なので、利用するかしないかは別として知っておくに越したことはありません。

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国民年金基金とは

国民年金基金とは、国民年金に上乗せして保険料を支払うことで、将来の受給額を増やすことができる制度です。

掛金の上限は月68,000円で、加入できるプランには様々なタイプがあり、自分にあったものを選んで将来に備えることができます。

様々なタイプが選択できることはメリットでもありますが、制度がややこしく感じるデメリットにもなっている感じはしますね。

年金のタイプ

まず、一口目として終身年金のA型・B型のどちらかを選択します。

タイプ支給保証
A型65歳~一生涯15年間
B型65歳~一生涯なし

二口目以降は終身年金のA型・B型のほか、受給期間が定まっている確定年金のⅠ~Ⅴ型の7種類から自由に組み合わせて選ぶことができます。

タイプ支給保証
A型65歳~一生涯15年間
B型65歳~一生涯なし
Ⅰ型65歳~80歳15年間
Ⅱ型65歳~75歳10年間
ⅲ型60歳~75歳15年間
Ⅳ型60歳~70歳10年間
Ⅴ型60歳~65歳5年間

何口加入したか、毎月いくら掛けたかによって将来の年金額が決まります。

保証期間のあるA型・Ⅰ~Ⅴ型は、年金受給前~保証期間中に本人が亡くなった場合、掛金納付期間等に応じた遺族一時金が支給されます。

保証がないB型は、費用を抑えて将来に備えることができるという形になっています。

基本としてまずはA型・B型のどちらかを選択し、資金に余裕があれば二口目以降の加入をすることで、年金の受給額を増やすことができるという仕組みですね。

掛金の額は加入する年齢・性別によって変わるため、国民年金基金のこちらのページでシミュレーションしてみると良いでしょう。

なお、掛金は途中で変わることはありません。

国民年金基金のメリット

国民年金基金のメリットにはいくつかありますが、とくに大きいのは掛金の全額が「所得控除」できる、つまり、所得税・住民税の節税ができるということ。

将来的には年金の受給額を増やしつつ、現役時には節税ができるので、これは大きなメリットと言えます。

どれくらいの節税になるかは収入・掛金によって変わりますが、ざっくりと計算するとそれほど収入が多くない場合は掛金の約15%・平均的な収入の場合は約20%…といった感じ。

住民税は一律10%ですが、所得税は収入によって5~45%と幅があるため、収入が多いほど節税効果は高くなります。掛金の分だけ税金が安くなるわけではないので注意しましょう。

また、受け取りが一生涯続く終身年金であることも心強いですね。二口目のⅠ~V型は期間が決まっていますが、必ず加入する一口目は終身型です。

国民年金基金のデメリット

良いことづくめであれば嬉しい限りですが、さすがにそう都合よくはいきません。

国民年金基金のデメリットとしては、基本的に途中で脱退することができないということが挙げられます。

加入員資格を失うのは、第一号被保険者でなくなる(厚生年金加入や第三号被保険者になる等)場合になります。

途中で掛金の支払いが厳しくなった場合、口数を減らすことで対応することもできますが、一口目に関しては減額することができません

どうしても無理な場合は納付を一時中断することはできますが、もちろんその期間分、年金の受給額は減額されます。なお、納付を中断しても2年以内であれば追納することができます。

また、将来の受給額は掛金ごとに一定額に固定されるため、インフレに対応していません。そのため、現時点でこれくらい増えると想定していても、数十年後に現在と同じ価値であるとは限らないことは注意しておきましょう。

今1,000円で買えるものが、20年後にも1,000円で買えるとは限らないということです。

iDeCoとの違い

国民年金基金と似た制度に、iDeCo(個人型確定拠出年金)があります。

掛金が全額所得控除される、一度加入したら基本的に脱退できないといった点は同じですが、掛金の決め方や受給の仕方、将来受け取れる金額などは異なります。

ざっくり言うと国民年金基金は保守的な運用が自動的に行われるため、リターンは低め。

一方のiDeCoは自分で運用の仕方を決めることができるので、高いリターンを目指すことも可能。ただし、受給できるのは運用によって増減した金額なので、終身型ではありません。

その代わり、iDeCoは受給時にも税制の優遇があるので、運用額が大きくなっても支払う税金はそれほどかからずに済む可能性が高いです(受給の仕方にもよります)。

一方、国民年金基金も優遇はあるにせよ、iDeCoほど優遇されているものではないため、人によっては税金や国保の負担が少し増えるかもしれません。

これらは併用することも可能ですが、その場合の掛金は合わせて68,000円が上限となります。

iDeCoに関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、興味がある方はぜひご覧ください。

まとめ

国民年金基金は加入時の掛金が変わることなく、終身型の年金として将来の受給額を増やすことができますが、基本的に途中解約はできないため、加入する前にはよく検討したほうがいいでしょう。

iDeCoとどちらが良いかについては、本人の考え方にもよるので一概には言えません。

掛金の所得控除は適用されませんが、現在は新NISAも利用できるため、将来に備えるための選択肢は様々です。

賃金はなかなか上がらず、物価だけはしっかりと上がっていく状況が続くなか、自分の身は自分で守ることが求められると言っても過言ではありません。

将来、経済的に困らないようにするため、早いうちから対策をしておくことをお勧めします。なお、当ブログでは資産形成に関して、基本的な知識が学べる記事も用意していますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。

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