【資産形成のスタンダード】投資信託の基本を解説

ゼロから始める資産形成術

投資信託はギャンブルだからやめたほうがいい…と思っていますか?

ズバリ言っておきますが、投資信託は投資の知識がない初心者でも手間なく資産形成ができる、非常に優れた投資商品です。

とくに、投資とか経済とか興味はないけど、将来のためにお金は増やしたいなぁ…なんていう方には最適(僕のことです)。

ここでは投資信託の仕組みについて、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います。

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投資信託とは?

投資信託とは「多くの投資家から資金を集め、その資金をまとめて運用するもの」です。

投資信託には様々な投資対象があり、運用方針は様々。それによって運用結果は大きく変わるので、投資信託を選ぶときは運用方針をよく理解しておくことが重要です。


1つ例を挙げると、「日経平均株価に連動する投資成果を目指す」とする投資信託の場合。

この投資信託は、日経平均株価を構成する225社へ投資を行い、日経平均株価の値動きと同じになるように運用をすることになります。

本日の日経平均株価は○%の値上がり(値下がり)です…とニュースで聞く機会があると思いますが、この投資信託を選んだとき、○%と同じような資産の増減をするということですね。

日経平均株価が1%上がれば、投資している資産が1%増える…という感じです。

後述しますが、日系平均株価のような対象となる指標を「指数(インデックス)」と呼びます。


投資信託は、運用する金額が少ないと思うような投資ができず、運用成績が目指すべき指数と乖離する可能性があるので、運用額の大きさも重要。

その運用額を示すのが「純資産総額」で、最低でも10億円、できれば50億円以上あるのが望ましいとされています。

また、純資産総額が一定額を下回ると、強制的に投資信託を解体する「強制償還」が行われる可能性もあるので注意が必要ですね。

このブログで推奨している商品であれば、そのような心配はほぼないと言えますが、一応そういう仕組みもあるよってことは覚えておいてください。


投資信託の投資対象は株式だけでなく、債券や不動産(REIT)、金などもあります。

それぞれを組み合わせた「バランス型」と呼ばれる商品もあり、たとえば株式・債券・REIT・金に各25%ずつ投資するといった感じ。

バランス型は様々な資産(アセット)に分散するため、投資初心者にお勧めされることは多いですが、個人的には初心者だからといってバランス型が向いているとは思っていません。

詳細は省きますが、資産形成をしていく段階では株式メインで運用するほうが効率的だからです。

資産形成が進み、徐々に資産を減らさないよう守りの運用をする段階で、他の資産を組み合わせるほうがいいと思いますね。


投資信託は運用方針によって、大きく2つの種類に分けられます。

1つは「インデックスファンド」、もう1つは「アクティブファンド」です。

インデックスファンド

インデックスファンドは「パッシブファンド」とも呼ばれ、指数に連動する投資成果を目指すもの

日経平均株価に連動する…という商品がインデックスファンドですね。

代表的な指数には以下のものがあります。

  1. 日経225(日経平均株価)
  2. 東証株価指数(TOPIX)
  3. 日経ジャスダック平均株価
  4. 東証マザーズ指数
  5. ニューヨークダウ工業株30種平均株価
  6. S&P500種指数
  7. NASDAQ総合指数

赤字にしているのは米国の代表的な指数です。

インデックスファンドではこれらの指数に連動する投資をしていくので、今後上昇(成長)する指数に投資しておけば、勝手に資産が増加していくことになります

このブログでは米国株へのインデックス投資をお勧めしていますが、その主な理由が米国の主要指数は右肩上がりに成長をしているから

投信について深い知識はなくても、米国の主要な指数へ投資するインデックスファンドへ積み立てをしていれば、それだけで資産形成は成功と言っても過言ではありません。

もちろん、しっかり勉強しておくに越したことはないですよ。

アクティブファンド

アクティブファンドは、指数を上回る投資成果を目指し運用される投信です

そのための情報収集や分析が必要になるので、インデックスファンドより運用にかかる手数料は高くなりがち。ところが、手数料が高い=成績が良いとはならなので注意が必要です。

むしろ、多くのアクティブファンドはインデックスファンドに劣っているのが事実です。


短期間でみればインデックス以上のリターンが得られるアクティブファンドも存在しますが、そのリターンを今後も維持することは難しく、それは歴史が証明しています。

期間指数に負けた
アクティブファンドの割合
5年88%
10年84%
15年92%

少し古いですが、これは2016年末までの期間、米国の代表的な指数である「S&P500」の成績と比較したデータです。

米国の指数が強すぎることも要因の1つですが、日本でも70%ほどのアクティブファンドが指数に劣っているため、やはりアクティブファンドは初心者に向いているとは言えませんね。

短期的な利益を狙う場合には使えるかもしれませんが、それを初心者が見極めるのは難しい。

だったら、これからの成長に期待できる指数(インデックスファンド)に黙って投資するほうがいいですよね。

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投資信託の手数料

投資信託では、購入時(購入手数料)・運用中(信託報酬)・売却時(信託財産留保額)の手数料が発生しますが、最近は運用中にかかる信託報酬以外は無料になっている商品が多いです。

投資信託のイメージが悪い要因の1つが、この手数料ですね。

対面での販売では購入時の手数料が高かったり、違う商品をお勧めして何度も売買させることで、手数料ビジネスを展開してきたのが金融業界です。

ところが、最近はネットの普及によって手数料は大幅に安くなり、僕のような庶民でも気軽に投資をできるようになったし、資産形成の大きな手助けとなるツールとなったのです。

信託報酬について

信託報酬は年率で表記され、年率1%なら1万円を投資したとき、年間で100円の手数料が必要になるということです。

実際には日割りなので多少のズレはありますが、運用による損益が±ゼロだった場合、信託報酬の分だけ元本割れすることになります。

つまり、信託報酬はできるだけ低いほうが運用には有利ということです。

ここ数年、信託報酬の引き下げ合戦が起こっており、資産形成に適している商品は年率0.1%ほどの低コストで運用できるようになりました。

投資信託は安かろう悪かろうではなく、安かろう良かろうという珍しい商品です。

隠れコスト

信託報酬とは別に、運用には「隠れコスト」という手数料も必要になります。

信託報酬は使用料、隠れコストは運用にかかる経費といったところでしょうか。

隠れコストは運用報告が行われるときに判明するので、信託報酬が低くても隠れコストが高かった…という可能性もあります。

前回の隠れコストが分かっていれば目安になりますが、設立したばかりの投資信託だと不明。

とはいえ、法外なコストを請求されることはないので、過度に心配する必要はありません。

信託報酬と隠れコストを合わせた費用を、「実質コスト」と呼びます。

投資信託のメリット

ここまで投資信託の基本的な概要を説明しましたが、どのような運用をしているかまで具体的に知っておく必要はないと思うので、その辺りは割愛します。

もちろん、知っておくことで損をすることはないので、興味があればさらに深掘りされていけばいいと思いますが、そろそろ眠くなってきた頃でしょうからメリットについて解説しましょう。

投資信託のメリットは、主に3つあります。

  1. 少額で広く分散投資ができる
  2. 手間が掛からない
  3. 手数料が安い

少額で広く分散投資ができる

投資信託は、大勢から資金を集めて運用することになるので、個人ではできない少額での分散投資が可能になります。

例えば、投資額が1万円しかないと、1万円以下の企業しか投資できませんし、複数の企業へ投資するのも難しいですよね。

とくに日本では単元株制度という100株単位で取引する謎の習慣があるので、1万円では株価100円以下の企業にしか投資できません。


また、1つの企業に集中投資をすると、見返りも損失も大きくなりますね。

複数の企業に分散投資をすれば、見返りは小さくなっても損をする程度も小さくなり、リスクの軽減ができます。

仮にA社だけに投資をして株価が30%増減すれば、投資したお金は30%増減します。

増えたときはいいですが、30%もマイナスになるとちょっと気が動転しそう…

これを10社に分散しておけば、他の9社の株価がそのままだったとして、A社による資産の増減は3%に抑えられます。

投資信託なら数百社への分散投資が可能になるので、1つの企業が倒産しても、全体に与える影響は少ないです。反面、1つの企業が大躍進してもプラスの影響が少ないということ。

誰もが大きな見返りを欲しいとは思いますが、投資では最悪の事態(大きな損失)を避けることが重要なので、そのためには広く分散投資することが必要なんです。

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手間が掛からない

投資信託は自分で特別なことをする必要はなく、投資をした後の運用は完全にお任せ状態になります。

今では定期的な積立の設定もできるため、最初に積立の設定をしておけばマジで何もすることはありません。積立用のお金を口座に入金するくらい。

仕事が忙しくて運用のことを考える時間がなくても、どうにか設定までこぎつければ大丈夫。

その設定にこぎつけるまでが一番大変なのも事実ですが、なんとかそこまでは辿り着いて欲しいですね。

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手数料が安い

投資信託の運用に掛かる費用、信託報酬は非常に安いです。

このブログでもお勧めしている「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」という米国株へ投資できる商品は、なんと年率0.0968%

隠れコストを含めた実質コストでも年率0.112%となっています。100万円を運用しても、年間で約1,100円。

今は手数料の引き下げ合戦によりさらに安い商品(0.0938%)も出ていますが、純資産額ではeMAXIS Slimが断トツ。

純資産額の多さは運用の安定化にも繋がるので、後発組で手数料を安くしている商品より安心感はありますね。もちろん、後発組でも米国株式なら十分な結果は見込めると思います。

投資信託のデメリット

投資信託のデメリットは、手数料がかかる・元本保証ではない・タイムリーな売買ができないといったことが挙げられます。

ただ、手数料は前述したように気にする必要のないレベル。元本保証ではないことも、投資先を間違えなければプラスになる可能性が高いため、心配することはないでしょう。

タイムリーな売買ができないというのは、投資信託はブラインド方式という特殊な取引体系を取っているからですが、その理由まで覚える必要はないし、デメリットというほどのこともありません。

投資信託の値段は「基準価額」と呼ばれますが、値段の高い安いも気にする必要はなし。

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まとめると、投信のデメリットはどれも気にする必要はなく、それ以上にメリットが大きいので資産形成にはお勧めということです!

つみたてNISAが広まらない理由

つみたてNISAはまだそれほど普及していないようですが、その理由は制度が良くない・怪しいといったものではなく、金融機関にとって儲かるものではないので、積極的な販促がされていないからだと思います。

金融機関は投資信託の売買手数料・信託報酬などの手数料で収益を上げています。信託報酬の高いアクティブファンドを推奨するのも、(顧客ではなく自社の)利益に繋がるからですね。

つみたてNISAは投資信託で運用することになりますが、売買手数料は無料、信託報酬も安い商品が多いため、金融機関がお勧めする理由がないのです。

顧客の利益を第一と考えるなら真っ先にお勧めするべき制度ですが、そうならないのは多くの金融機関にとっては、顧客の利益より会社の利益が重要だからに他なりません。

※2024年からは新NISAとして内容が改正されます。

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2024年からこれまでの(一般)NISA・つみたてNISAから「新NISA」へと制度が新しくなりました。 最初に新NISAは是非活用するべきお得な制度であるということはお伝えしておきますが、やることは「投資」になるので、多くの方にとっては未...

まとめ

投資信託について一通りの説明をしましたが、深掘りすればまだまだ説明することはあります。ただ、これくらい知っておけば資産形成をしていくうえで問題ありません。

ひとまず、投資信託=悪という誤ったイメージを持っている方はそれを払拭し、投資信託=庶民の資産形成の味方ということを理解していただければ幸いです。

なお、投資信託と株式投資を違うものと勘違いされていたかもしれませんが、ここで説明したように、投資信託のなかには株式で運用するものがあります。

資産形成には投資信託で運用するインデックス投資がお勧めなので、ギャンブルとは違うことが理解できれば始めてみてはいかがでしょうか。

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