血統を系統別に紹介するコーナー。
今回は、大系統ヘイルトゥリーズン系と、そこから派生する小系統について紹介します。
大系統ヘイルトゥリーズン系
ヘイルトゥリーズンは1960年代に活躍。
怪我により2歳戦しか走ることなく引退しましたが、競走生活よりも種牡馬として成功しました。
産駒のロベルトとヘイローという2頭が種牡馬として大成し、日本でもこれらの血を持つ馬が活躍しています。
ヘイルトゥリーズン系は、小系統としてロベルト系とヘイロー系に分類。
そのヘイローは、日本の血統構図を一変させたサンデーサイレンスを輩出。
つまり、サンデーサイレンスも大系統ヘイルトゥリーズン系と言えるわけですね。
ロベルト系
ロベルトは現役時代、英国の最強馬であったブリガディアジェラードを破った唯一の馬です。
しかし、そのレースはブリガディアジェラートが、リボーのもつヨーロッパの連勝記録に並ぶかどうかという注目が集まったレースでした。
そこで空気を読まず(?)に勝ってしまったロベルトは、悪役として扱われたそうです。
ロベルト系の特徴は、豊富なスタミナとダートをこなすパワー。
根幹距離よりも非根幹距離やタフな馬場で強さを発揮する馬が多いです。
代表産駒の一頭であるグラスワンダーは、非根幹距離の宝塚記念・有馬記念を共に圧勝。
その産駒のスクリーンヒーローも、瞬発力よりもタフな馬場や消耗戦に強い産駒を輩出します。
近年の代表種牡馬といえるモーリスは、どちらかといえば短めの距離を中心に走る産駒が多いですが、中距離をこなすタイプも。
距離適性によって特徴も少し変わり、短距離向きの馬は相手強化や内枠、短縮ローテが得意になり、中距離向きの馬は逆のパターンが得意になったりします。
エピファネイアはシーザリオの影響が強く、ロベルト系の中では瞬発力を備えた産駒が多いです。
揉まれ弱く、前走よりペースがゆったりと流れる延長ローテが得意。
外枠でスムーズに走れると激走しやすく、広いコースで坂がある東京・中京・阪神では要注意です。
ロベルトの血を持つ馬は、中山競馬場ではとくに注目。
ディープインパクト産駒でも母父ロベルト系の場合、東京よりも中山に向くタイプが多く、代表産駒のディーマジェスティやシルバーステートも、その傾向が見えます。
ヘイロー系
ヘイローは非常に気性が荒かった馬で、それはサンデーサイレンスにも受け継がれました。
ヘイロー系の特徴は、スピードとパワーに優れた馬が多いこと。
基本的には短距離~中距離でスピードを活かす競馬が得意で、瞬発力勝負よりも速い流れを押し切るレースを得意とします。パワーもあるため、力の要る馬場やダートも苦にしません。
タイキシャトルは日本歴代最強のマイラーと考える人も多くいるほど、圧倒的な強さを持った馬でした。馬体がとても綺麗で、僕の最も好きな馬の候補にも入っています。
その産駒でもあるメイショウボーラーは、芝の短距離やダートの短縮ローテで激走するケースが多く、馬券でお世話になったことも多々ありました。
近年ではその血を持つ馬が減ってきているのが残念ですね。
まとめ
日本競馬界を一変させたサンデーサイレンスの父であるヘイロー。
サンデーサイレンスは異端でしたが、高いスピード能力を持っていることには違いありません。
一方でスタミナや馬力に優れるロベルト系と、未だに日本では影響力の強い系統であるため、その特徴を捉えておくと、予想するうえで楽しみが増えるかもしれませんね。
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