競馬における資金配分のひとつに「均等払い戻し」という買い方があります。
これは、どの買い目が的中しても同じ払い戻し金額になるように資金を配分する方法。
たとえば、10倍の馬券に500円、25倍の馬券には200円といった具合で、的中すればどちらでも5,000円の払い戻しになります。
このような買い方は「愚策」と言われることもありますが、本当にそうでしょうか?
この記事では、均等払い戻しのメリット・デメリットや、実際の馬券戦略との比較を行いながら、その有効性を考察していきます。
均等払い戻しのメリット
1. 資金管理がしやすい
均等払い戻しの最大の利点は、的中時の収支が安定すること。
予想印に基づいて金額の強弱をつけると、本線が外れて抑えばかり的中するケースでは利益がほとんど出ない…ということが起こります。
それに比べると、すべての買い目において「当たれば同じ金額」になる均等払い戻しは、結果に対するストレスが少ないのが特徴です。
2. 予想時間の短縮にもつながる
また、均等払い戻しでは対抗以下の印の優劣を考慮しないため、本命馬に集中できるという利点もあります。
競馬は、展開や馬場、気配など多くの要素が絡む不確実なゲームで、すべてを完璧に読むことは至難の業。相手候補の取捨に迷うくらいなら、相手の順位をあえてつけず、来そうな馬すべてにフラットに張るというのは合理的な考え方とも言えるでしょう。
均等払い戻しのデメリットと誤解
「期待値の低い買い目に資金が集中する」?
よくある否定意見に「期待値の低い馬券に資金を多く使うことになる」という声があります。
しかし、この意見は必ずしも正しくありません。
なぜなら、オッズが高ければ期待値が高いとは限らないからです。
たとえば、15番人気と16番人気の馬連はオッズこそ高いですが、そもそも的中確率が極端に低いため、期待値も低くなる傾向があります。
一方で、人気馬同士でも出現率に比べて配当が割高なケースもあります。
オッズの高低だけで期待値の高低を決めるのは早計です。
合成オッズを活用する
合成オッズが3倍にまで下がるような買い方であれば、33%以上の的中率を実現しなければ儲けることができません。合成オッズが5倍なら20%以上、10倍なら10%以上ですね。
的中率と回収率は相反する関係にあり、競馬は様々なアクシデントが起こり得るため、低すぎるオッズの場合はそのバランスを取るのが難しくなります。
つまり、合成オッズが低すぎる買い方は勝ちづらいということ。
逆に、合成オッズが30倍やら50倍といった買い方も、超人気薄は総流しをする人たちなどによって実力以上に買われやすく、的中率と回収率のバランスが取れない。
馬連の場合、個人的には合成オッズが最低でも5倍以上は欲しいかなと思います。
あくまで個人的見解なので、それが正解とは思いませんが。実際には8倍以上を目安に馬券を買うようにしています。上はせいぜい20倍あたりでしょうか。
均等払い戻しでは、合成オッズと的中率を意識していれば十分勝てる買い方になり得るでしょう。
強弱配分との違いと資金力の影響
均等払い戻しに対して、印に基づく強弱配分を行う人もいます。
この場合のメリットは、本線的中時にリターンを最大化できることですが、資金が限られているとその理想を実現できないことも。
例:
買い目 | オッズ | 賭け金 (払戻金) |
---|---|---|
◎-○ | 40倍 | 200円 (8,000円) |
◎-▲ | 20倍 | 300円 (6,000円) |
◎-△ | 50倍 | 100円 (5,000円) |
◎-☆ | 200倍 | 100円 (20,000円) |
◎-★ | 100倍 | 100円 (10,000円) |
予想の本線(◎-〇)の決着より、抑え(◎-☆★)として買った馬が来たほうが儲かる。
こういうった現象が起こるのが、資金が少ない場合の難しさです。
これが1レースに5,000円使える人なら、しっかり強弱をつけた上で回収率の高い馬券を構築することが可能になります。
均等払い戻し vs 強弱配分:どちらが正解か?
結論として、「どちらが正しい」ではなく、
- 安定した資金管理になりやすい均等払い戻し
- 一撃を狙えるのが強弱配分
という違いに過ぎません。
まとめ:均等払い戻しは“愚策”ではない!
最終的に言えるのは、馬券の買い方に絶対の正解はないということです。
ただ、均等払い戻しは:
- 合成オッズに気を付ければ、十分戦える戦術であり
- 資金管理のしやすさや、予想負担の軽減という点でも有利
であることは間違いありません。
もちろん、資金に余裕があるなら本線を厚く張って一撃を狙うのも良いでしょう。
要は、自分のスタイルや予算、レースへの向き合い方に合わせた資金配分を選ぶことが大切です。
「好きなように試行錯誤できる」のも競馬の楽しさのひとつ。
あなたに合った買い方を見つけて、少額でも楽しめる馬券ライフを送りましょう。
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