投資信託には市場と連動するインデックスファンドと、市場平均を上回る成果を目指すアクティブファンドがあります。
僕は主にこれから投資を始めたい、コツコツでいいから資産形成をしていきたいという方に向けて情報発信をしているので、実はアクティブファンドをお勧めしたことは一度もありません。
ここでは、その理由について解説していきます。
インデックスファンドを上回ることが難しい
アクティブファンドをお勧めしない最大の理由は、長期的にインデックスファンドを上回る成績を残すことが不可能に近いからです。
有名な話ですが、運用期間が長くなるほど、アクティブファンドはインデックスファンドに成績で劣ることはデータで証明されています。
日本と米国では少し数値が違いますが、期間が5年以上になると70~90%ものアクティブファンドが成績で劣っているのです。
10~30%くらいは上回ってるやん?と思ったかもしれませんが、現時点で成績が上回っているからといって、向こう5年も上回るとは限りません。
これから優秀な成績を残すアクティブファンドを見付けるためには、経済について勉強し、企業の良し悪しを判断できる知識がないと難しい。
そういった知識があったとて、必ず見付けられる保証はありませんからね。
そもそも、アクティブファンドの中で運用している人たちがいわゆる「投資のプロ」であり、そのプロが運用しているにもかかわらず大半はインデックスに劣るわけですよ。
素人が多少の知識を得たところで、どうやってインデックスを上回るファンドを見極められるというのか…そんな方法があるなら、僕に教えてください!
タイミングを考えるのが難しい
アクティブファンドは「長期的」にはインデックスファンドを上回ることが難しいですが、一定期間だけを見れば上回ることも多々あると思います。
なので、アクティブファンドはタイミングを見計らって売買するほうが利益を出せる可能性は高いでしょうね。
とはいえ、じゃあ投資初心者がどうやってそのタイミングを見極めるの?って話ですが、これまたそんな方法はわかりません。
自分のなかで何%上がれば(下がれば)売却といったルールを作るのがいいかもしれませんが、これってもはや投機(ギャンブル)に近いです。
コストが高い
アクティブファンドは運用にかかるコストが総じて高く、それもインデックスファンドに成績が劣る要因になりますね。
現状、インデックスファンドは購入手数料がゼロ、運用中の信託報酬は0.1%ほどの商品があり、黙ってこれだけ買っとけよというレベルにまで来ています。
アクティブファンドには信託報酬が1%を超えるもの、購入手数料でも1~3%ほど取られる商品がざらにあります。
一見、たかが1%という気もしますが、その分だけ確実に利益がなくなるのは事実。ましてや、ほとんどのアクティブファンドはインデックスに成績で劣ります。
インデックスファンドより高い手数料を払いつつ、それ以下のリターンしか得られない可能性が高いなんて、普通に考えてBETするような話じゃないですよね。
インデックスを大きく上回る可能性が十二分にあって初めて、高い手数料を支払う価値があるってもんです。
果たして、そんなアクティブファンドを投資初心者が見付けることはできるのでしょうか?
できるなら、その方法を僕にも教えてくれ!
カモもネギも背負っている
アクティブファンドの全てとは言いませんが、これらを販売する金融機関にとって、投資初心者はまさに「ネギを背負ったカモ」なんです。
アクティブファンドを売ることで、金融機関は高い販売手数料と信託報酬が手に入ります。中には短期間で担当者の狙い通りに利益が出て、あなたを信じて良かった~!となるケースもあるでしょう。
でも、それは担当者の狙い通りでもなんでもありません。ただ、運良くその期間に利益が出ただけ。
投資信託の販売を担当する人は、投資のプロでもなんでもなく、ただの「販売のプロ」なんです。その商品がこれから値上がりしそうかどうかなんて、まずわかっていません。
仮に損失が出た場合、そのまま塩漬けにするか、現在はこちらの商品が有望ですよと新しい商品を買わせるかを判断するだけ。
どちらにせよ、担当者の懐が痛むことはなく、会社には手数料が入り続けますからね。損をするのは、カモとネギを背負ったあなただけ!
そう、カモがネギを背負っているのではなく、あなたがカモもネギも背負っているという、ただただ美味しいお客さんでしかないのです。
一度、担当者も同じ商品で運用しているのかどうか、聞いてみてはいかがでしょうか?
本当に値上がりに期待できるなら、自分でも運用してるでしょうからね。
まとめ
アクティブファンドは、短期的に利益を追求したいときには選択肢として有り得るかもしれませんが、投資初心者が手を出すにはハードルが高いです。
誰かに勧められて投資する類の商品ではありません。少なくとも、自分で考え、自分で購入・売却の判断を下せるくらいの知識は身に付けたほうがいいですね。
もし銀行等で担当者に勧められるがまま購入しているなら、現時点で利益が出ていればさっさと売却したほうが賢明。
損失が出ていても許容できる範囲内なら、勉強代として売却したほうがいいでしょう。許容できない範囲だとしても、売却することを勧めますが…
その後に利益が出る状態になったとしても、気にする必要はありません。逆に損失がどんどん膨れていく可能性だったあるわけですからね。
これから資産形成を目指すなら、インデックスファンドでの積立投資をお勧めします。
時間こそかかりますが、多くの人にとって最適解と言える投資法だと思っています。
2024年からは「新しいNISA」が始まります。
投資をするならまず利用したい制度なので、こちらの記事を合わせてご覧いただければと思います。
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