「社会人になったら生命保険の一つくらいは入っておくべき」と勧められた経験、ありませんか?
実は、多くの人が本当に必要かどうかを理解せずに生命保険に加入しています。そして、知らないうちにムダな保険料を払い続けているケースも少なくありません。
この記事では、「生命保険が必要な人の条件」「無駄な保険料を払わないための選び方」「おすすめの保険タイプ」といった視点から、シンプルかつ本質的に解説していきます。
生命保険が本当に必要な人とは?
生命保険は、誰にとっても必要というわけではありません。必要性が高いのは次のようなケースです。
✅ 小さな子どもがいる家庭
稼ぎ手である親に万が一のことが起きた場合、教育費や生活費などの将来的な支出を補填する必要があります。
遺族年金だけでは十分とは言えず、不足分を補う手段として生命保険の役割が出てきます。
❌ 不要なケースの例
- 独身で扶養家族がいない人
- 共働きで、子どものいない夫婦
- 子どもがすでに独立している家庭
こういったケースでは、生命保険がなくても経済的に困る可能性は低いため、無理に加入する必要はありません。
必要な保障額は「子どもの年齢」によって変わる
子どもが小さい時期は教育費や生活費がかさみますが、成長するにつれて必要な保障額は自然と減っていきます。
このため、一定額をずっと保障する保険より、年々保障が減るタイプの保険のほうが合理的です。
おすすめは「収入保障保険」|掛け捨てで合理的
収入保障保険は、死亡した場合に毎月定額の保険金が一定期間支給される保険です。
例:30歳男性・50歳まで月10万円支給の場合
- 30歳で死亡した場合:10万円 × 12ヶ月 × 20年 = 2,400万円
- 45歳で死亡した場合:10万円 × 12ヶ月 × 5年 = 600万円
つまり、死亡時期が遅くなるほど受け取る金額は減る設計です。
これは「必要な保障額は年齢とともに減っていく」という考えに基づいているため、非常に合理的。
さらに、同程度の保障内容を持つ一般的な定期保険よりも保険料が安いのもメリットです。
生命保険で貯蓄はするな!「貯蓄型」はおすすめしない理由
生命保険には「掛け捨て型」と「貯蓄型」がありますが、貯蓄目的で保険に加入するのは非効率です。
なぜ貯蓄型保険は損なのか?
- 満期まで解約できず、途中解約すると元本割れのリスクあり
- 返戻率が低く、ほとんどお金が増えない
- 手数料が高く、保険会社の利益が大きい
一部では「強制的に貯金できる」という声もありますが、それなら自分で運用したほうが自由度も高く効率的です。
代替策:つみたてNISA・iDeCoで自分で備える
貯蓄型保険の代わりにおすすめしたいのが、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を活用した長期の積立投資です。
投資信託を使った積立であれば、次のようなメリットがあります:
- 手数料が安い(保険会社のような中間搾取がない)
- 非課税枠が使える
- 資産が自分の名義で貯まる
👉 詳しくはこちらの記事で解説しています:
新NISAとは?!投資初心者にもわかりやすく解説
👉 iDeCoの記事はこちら:
iDeCoとは?メリット・デメリットを理解して老後の経済対策を!
保険相談時に注意したいポイント
最近では無料で保険相談を受けられるサービスも増えていますが、注意点もあります。
- 自社商品しか勧めない代理店もある
- 手数料の高い貯蓄型商品を勧められがち
最低限の知識を持っておかないと、不必要な保険を契約させられてしまう可能性もあるため、「収入保障保険」や「定期保険」の基本だけは押さえておきましょう。
国の制度も確認しておこう:遺族年金とは?
生命保険がなくても、公的年金(国民年金・厚生年金)には「遺族年金」という制度があります。
遺族年金の支給内容は条件により異なりますが、子どもがいる配偶者は月額数万円〜十数万円を受け取れるケースもあります。
保険加入を考える際には、まずこの制度がどの程度活用できるかを確認しましょう。
👉 詳しくはこちら
遺族年金の仕組みと受給額
まとめ|生命保険は「必要最小限」でOK
チェックポイント | 内容 |
---|---|
加入すべき人 | 小さな子どもがいる家庭 |
おすすめの保険 | 掛け捨て型の収入保障保険 |
避けたい保険 | 貯蓄型・返戻金重視の高額商品 |
他に活用すべき制度 | 遺族年金、つみたてNISA、iDeCo など |
✅ 結論
生命保険は「誰かに勧められるまま加入するもの」ではありません。必要性があるかどうかを見極め、必要最低限の保障を最も効率的な形で準備することが大切です。
- 「保険で備える」よりも「制度を理解して、自分で積み立てる」
- 「万が一」に備えつつ、「確実な将来」にも備える
そのための第一歩は、「知ること」と「考えること」です。
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