「老後の備えに個人年金保険を検討しているけれど、トンチン年金ってどうなん?」
近年、長寿リスクに備える手段として「トンチン年金」が注目を集めていますが、結論から言えば、トンチン年金はおすすめできません。
この記事では、その理由をわかりやすく解説するとともに、もっと効率的な老後資金の準備方法も紹介していきます。
トンチン年金とは?基本の仕組みを解説
トンチン年金とは、契約者が**亡くなるまで年金を受け取れる「終身型の個人年金保険」**です。長生きすればするほど得になるという点が特徴で、商品としては日本生命の「グランエイジ」などがあります。
例:グランエイジの契約内容(50歳男性)
項目 | 内容 |
---|---|
保険料 | 月50,790円 |
支払期間 | 50歳~70歳の20年間 |
支払総額 | 約1,200万円 |
年金受給額 | 年間60万円(月5万円) |
年金開始 | 70歳 |
受取保証期間 | 70~75歳(5年間) |
年金を受け取り続けて、90歳を超えた頃にようやく元が取れるという仕組みです。
トンチン年金をおすすめしない3つの理由
理由1:コスパが悪すぎる
20年間で約1,200万円支払い、年間60万円の年金を受け取る場合、元を取るには20年=90歳まで生きる必要があります。
老後資金の準備とはいえ、これはあまりに「人生を賭けたギャンブル」に近い内容です。
理由2:公的年金(国民年金)の方が優れている
国民年金を例にとると:
- 月額保険料:約17,000円
- 支払期間:20歳〜60歳(40年)
- 総支払額:約816万円
- 受給額:年約78万円(※2024年時点)
支払った保険料は約10年で回収できる計算で、トンチン年金の半分の期間で元が取れます。
しかも、国民年金には以下のようなメリットも。
- 財源の半分は税金が使われる
- 障害年金・遺族年金などの保障付き
- 終身で受け取れる
理由3:手数料が高く、将来のリスクも大きい
トンチン年金は民間保険なので、保険会社の利益が保険料から差し引かれています。
また、今後長寿化が進めば、保険料がさらに上がったり、受給条件が改悪されたりする可能性も。
仮に保険会社が倒産しても契約は保護されますが、受け取れる年金額が減る可能性は否定できません。
30代から加入してもおすすめできない理由
仮に30歳から月額2万円で40年間支払った場合、総額は960万円。これで70歳から年間60万円を受け取っても、元を取るには16年かかります(=86歳)。
しかも、30代で月2万円の保険料は家計の大きな負担。途中で解約すれば元本割れする可能性も高いため、若年層にとっても得策とは言えません。
ではどう備える?代わりにやるべき老後資金対策
✅ 自分で積み立て・運用するのがベスト
トンチン年金のように「手数料が高い商品」に頼るよりも、自分で資産を運用する方が圧倒的に効率的です。
中でもおすすめは、以下の制度を活用した長期積立投資:
- つみたてNISA
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
どちらも投資信託を活用しながら、非課税で資産形成ができる制度で、放置でも運用が続けられるため初心者にも安心です。
👉 詳しくはこちらの記事で解説しています:
新NISAとは?!投資初心者にもわかりやすく解説
👉 iDeCoの記事はこちら:
iDeCoとは?メリット・デメリットを理解して老後の経済対策を!
まとめ:トンチン年金に入る前に考えるべきこと
トンチン年金は、保険料に対して得られるリターンが小さく、将来のリスクも高いため、老後資金の準備としてはおすすめできません。
まずは少額からでいいので、自分で積立投資を始めてみましょう。
難しそうに見えて、最初の設定さえ終えればほとんど放置でOK。
あとは「やるか・やらないか」だけです!
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